複数回実施を当面見送り 大学入試新テスト

採点期間の例が示された高大接続会議
採点期間の例が示された高大接続会議

文科省の高大接続システム会議は1月29日、平成32年度から実施される「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」の採点期間が長期にわたると試算し、年複数回の実施を当面見送る考えを示した。委員からは、受験生や大学の負担が大きいなどの意見があり、複数回実施は難しい状況だ。同会議は3月末には最終報告をまとめる。

この新テストでは、暗記偏重型から思考力や判断力を評価する内容に転換するために、記述式導入を検討。「一発勝負の弊害」を避けるために、複数回実施を柱に据えていた。

だが、同省は「記述式や別日程での実施で、新テストの狙いは相当程度実現する」として、「複数回は実施状況や技術革新を見据え、引き続き検討することが適当」と、複数回実施を当面見送る方針を示した。

試算によると、採点には最短20日から最長60日かかる。現行センター試験の採点期間約20日と比較すると、最大3倍の日数を要する。

具体的には、短文記述式(40~80字)と長文記述式(200~300字)を組み合わせた場合、30日程度の採点期間が必要となる。加えて、記述内容について、担当者による採点上の観点などがぶれないよう均質性を担保するための事前・事後研修が、20日から30日かかると想定すると、最長で計60日となる。長文記述式は36年度から実施する見通し。

会合では、記述式の採点方法を明示。解答用紙をデジタル化し、分類する「クラスタリング方式」の採用を検討。デジタル化した解答を正答条件ごとに分類することで、採点精度を向上させるねらいがある。

委員からは「受験生や大学に負担が大きい」「記述式導入で、採点期間に時間がかかる」などの理由で、複数回実施については否定的な意見が相次いだ。

関連記事