高校生の政治活動でQ&A集 デモの届け制はOK?

教育現場からの質問に答えていくQ&A集
教育現場からの質問に答えていくQ&A集

選挙権年齢が「18歳以上」に引き下げられたのを受けて、高校生の政治活動が一定の要件の下で認められるようになった。だが、教育現場から、明確な基準を示してほしいとの声が絶えない。文科省はこうした声に応え、これまで教員から寄せられた質問に対する答えをまとめた文書を新たに作成し、全国の教委に配布した。Q&A集「高等学校における政治的教養の教育と高等学校の生徒による政治活動等について」がそれ。

政治活動の届け出制や校則での禁止は可能なのかなど、さまざまな疑問に答えている。

放課後や休日に学校外で行われるデモや集会などの政治活動の事前届け出制に関しては、同省は「各学校で適切に判断することが必要」と容認する考えを示した。

「『政治活動などを校内では禁止する』と学校が校則などで定めて生徒を指導することができるか」との問いには、「校則で定めることは不当ではない」と回答している。

このほか、国公私立教員の政治活動には、法的制限に違いがある点を押さえる。公立学校の教員は、職員室で特定政党のポスターを貼るなどの政治的行為に制限がある(教特法第18条)。また公務員の地位を利用した選挙運動は不可(公職法第137条の2項)。

一方、国立大学附属高校教員は独立行政法人に属するので、公立学校の教育公務員には該当しない。私立の場合は設置者が学校法人のため、国立と同様に、公立の教員に適用される法的制限は当てはまらない。ただ、教特法第18条の2項を根拠に、極端な政治活動を行った場合、禁止事項に該当する可能性があると示唆した。公務員の地位を利用した選挙運動については、国・私立の教員は該当しないとした。

18歳選挙に係る法律は、6月19日に施行されるので、国政選挙では今夏の参院選から実施される。同省は46年ぶりに、学業に支障のない範囲で高校生の選挙活動を認めるとしている。

全国の指導主事が集まった主権者教育の説明会では、高校生の政治活動の制限や禁止の範囲に関して「事例を示してもらいたい」などの意見が相次いでいた。

また文科省が開いた高校の政治活動を制限した昭和44年通知の見直しについてのヒアリングでは、宮本久也全国高等学校長協会会長(都立西高校校長)が「違法な政治的活動とはどのようなものか。禁止・制限はどう扱っていいのか具体を示してほしい」と注文を付けていた。

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