アニメで学ぶおもてなし 五輪教育を日常に生かす

五輪クイズに答える児童たち
五輪クイズに答える児童たち

東京都八王子市立横山第二小学校(土屋栄二校長、児童数306人)は2月2日、オリンピック・パラリンピックを題材とした「おもてなし」教育の公開授業を実施した。大日本印刷㈱が開発したICT教材を使用。児童が楽しみながら基本的なマナーを学び、日常生活で生かす方法を話し合った。

公開したのは6年2組の道徳の授業。連続した2単位時間で、同社開発の「おもてなし」を学ぶICT教材を使い、マナーや国際理解の習得を目指した。

導入でアニメーションを視聴。そのキャラクター2人のお辞儀の仕方に違いがあり、そこから、「同時礼」と「分離礼」の印象の違いに迫った。

同時礼は、あいさつの言葉を発しながら頭を下げる。分離礼は、あいさつを終えてから頭を下げる。同時礼は声が床に向かってしまうが、分離礼は最後まで相手を見ながらあいさつできるのを踏まえ、児童は「分離礼の方が印象がいい」と主張。アニメーションの「耳が不自由な人は、相手の唇の動きを読んで話している言葉を理解する」との解説が、児童の主張が正しいのを裏付けた。

その後、オリンピック・パラリンピックの知識を3択クイズで確認した。皆で話し合い、クラス全体で1つの解答を決定。アニメーションで正解が発表された。児童は、クイズの正否に一喜一憂しながら、興味・関心を高めていった。

外国人の来客があった際の「悪いお迎え」の映像を見て、クラスで話し合う場面があった。気を付けたい点として、目線、表情、握手の仕方、相手を待たせない、自分から積極的にあいさつをする――など、児童からはたくさんの提案があふれた。外国人をもてなす練習として、英語であいさつする演習も行った。

外国人へのおもてなしで喜ばれた例として、「相手の名前に漢字をあてて書く」「相手の国の言葉であいさつをする」などが挙げられた。また国の文化によっては「子どもの頭をなでる」などの行為が喜ばれない場合があると学んだ。

児童は、相手に日本の文化を伝えたり、相手の国の文化に寄り添ったりすると、いいおもてなしができると理解。授業の終盤には、「外国人が日本に来たら、着物を着せてあげたい」などの意見も発表された。

最後は、児童が日常生活でできるおもてなしを考えた。「相手が喜んでくれる方法を考えて、してあげる」のをおもてなしと定義し、(1)困っている人がいたら声をかけてあげる(2)元気よく笑顔で相手の目を見てあいさつをする――をクラス目標に設定。身近な思いやりが「おもてなし」につながると実感できる授業となった。

同教材の監修は、真田久筑波大学教授と江上いずみ同学客員教授、藤川大祐千葉大学教授、佐野慎輔日本オリンピック・アカデミー理事。

監修者の江上客員教授は、「『おもてなし』教育のために各地の学校を回っているが、自分で回るには限界がある。全国で広く『おもてなし』を学べる教材が欲しいと思っていた」と語る。

授業をした教諭は、「映像が授業を展開してくれる。教員は児童に声をかけながら、様子や変化を見るのに専念できるからありがたい。充実した協働学習ができた」と、同教材の魅力を力説した。

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