スモールステップで体力向上 運動習慣が定着した

各学校の特色ある実践が報告された
各学校の特色ある実践が報告された

埼玉県教委は、県内の児童生徒の体力向上に向けた実践成果を表彰するフォーラムを2月2日、さいたま市の文化センターで開いた。小・中・高校で体力向上や生活・運動習慣の定着などに優れた成果を上げた学校への賞状授与と体力課題解決研究指定校などが実践を発表。個の課題に応じたスモールステップの学習や教材開発、より良い生活習慣定着へのアンケートや体育だよりを通じた保護者への食育啓発などの取り組みが報告された。

実践発表では、県の体力課題解決研究に指定された小・中・高校7校が2年間の取り組みを説明した。

加須市立花崎北小学校は「個人差に応じた技能を高め、動きを広める指導」を課題にした実践を話した。授業では、個に応じた課題を明らかにするため「ステップカード」の記述とチェックを実施。単元の運動に応じて身に付いた力や課題などを項目ごとに記し、毎時間、配慮する視点に意識を深め、取り組ませるようにした。

個別の課題を踏まえた多様な学びや教材、教具の開発を推進。練習はスモールステップで分かりやすく確実な定着を重視した。

学び合う活動を軸に、さまざまな学校行事でボール投げやなわとび教室などを位置付け、児童の運動習慣や体を動かす楽しさを高める工夫も進めた。

生活習慣改善に向けた啓発では、朝食や早寝早起きなどをチェックするアンケートの実施、保護者に食育の重要性やポイントをアドバイスする活動や体育だよりの発行などを挙げた。

坂戸市立若宮中学校は、「運動好きな生徒の育成」を目指す実践を発表。生徒一人ひとりが分かる、できる喜びを味わえる体育授業の実現に向け、従来の展開を抜本的に見直した。

限られた時間で個の課題に応じた運動を最大限に行うため、教師は学習の意図を示し、生徒理解を深めながら、個々の課題把握やサポートを図っていく。授業開始のウオーミングアップ例では、生徒が各自健康観察をして自分の状況を把握した上で、運動種目に応じた走り込み練習を進めるなどの例を示した。

県立飯能南高校は、県の体力テストで見えた課題をイベント化で克服する実践の工夫などを報告した。催しを「スポテンピック」と題し、開会式や表彰式などが盛り上がるしかけを組み込み、課題の運動能力をゲーム感覚で克服するようにした。

教員記録への挑戦コーナーや、美術部と連携した関心を高める記録掲示などにも取り組み、生徒の運動意欲を高めながら体力課題を理解し、実践する流れを生んだなどと振り返った。

ボール投げや握力など8種目で調査する平成27年度「全国体力・運動能力、運動習慣等調査」の結果、同県内の小学生は6種目、中学生は全種目で全国平均を上回る結果を出している。

同県教委は、「国と県の体力調査を見据えた実践を学校が工夫した点や、異学年、異年齢交流などを交え、児童生徒の運動機会の定着や意欲を高めた影響が考えられる」などと指摘する。

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