乾電池鉄道でギネス 高校と企業連携でキャリア教育

高校生が社会とつながる機会になった
高校生が社会とつながる機会になった

埼玉県教委と(一社)埼玉県経営者協会は、連携してキャリア教育に取り組む県立高校と企業の実践を発表し、表彰する「埼玉県キャリア教育実践アワード2016」を2月3日、さいたま市のパレスホテル大宮で開いた。最優秀賞の県立川越工業高校は、2企業からの協力で、乾電池で動く鉄道車両を生徒が製作。走行させてギネス世界記録を達成した。

最優秀賞に選ばれた川越工業高校は、実践に参加した電気科3年生が取り組みを発表した。電気科の課題研究の一環として、パナソニックが主催する乾電池を使った電車走行のプロジェクト「EVOLTAチャレンジ」に参加。東友テクニカ㈱と㈱ドリームトキの2企業と協働し、生徒たちが乾電池で動く電車製作と走行に挑戦した。

2企業からモーターや特殊な金属加工のサポートを受け、車体やフレーム、車輪、電気回路など、車両の大半は生徒たちが自力で作製した。

昨年11月、秋田県の地方鉄道線路で、完成した全長約4メートルの車両を実際に走行。動力に単一電池600個を使用し、2時間45分かけて、約22キロを走行させるのに成功した。乾電池を使った鉄道走行のギネス世界記録に登録される素晴らしい成果を得た。

優秀賞の川越総合高校は、授業実習で育てたメロンを、連携した百貨店で販売する実践を報告。

メロン栽培は、同校の総合学科農業科学系列の学習として実施。この学習は、単に農業体験や技術習得を積むだけでなく、イベント参加や幼児への農業啓発など、地域社会と関わる多くの学習内容を含んでいる。

実践では、手塩にかけて育てたメロンを生徒たちが対面販売する中で、買い手の思いや反応を知るなどの経験を得た。農業を販売まで含めて理解したり、地域に学校の取り組みを知ってもらったりする点も視野に入れた。

栽培実習では、生徒が一人ひとりメロンの株を育て、定植、交配、玉ふきなどの作業を経験しながら収穫。有機肥料や早朝の交配作業など、糖度が高くておいしいメロン作りに向けた手間暇にこだわった。

収穫したメロンは、連携する㈱丸広百貨店で販売。ケーブルテレビで告知するなどの協力を得ながら、生徒が大切に育てた限定50個を店頭に並べた。

販売日には、開始前から多くの客が列をなした。生徒が店頭で試食を勧める経験をしながら、1時間で完売。「甘くておいしい」と大好評だった。栽培管理や蒸し暑い温室作業などの苦労を見つめ直し、おいしいメロン作りに必要な努力や食べてくれる人への意識、農作物が育つ経過などへの理解や愛情が育まれたなどと話した。

このほか、病院と協力しながら看護体験や地域医療の現状を学ぶ取り組みなども報告された。

関連記事