ESDパスポート 意図通り学校で使うのは難しい

ESDパスポート
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東京都の新宿ユネスコ協会は2月4日、ユネスコスクール・ESDパスポート研修会を、新宿区立落合第四小学校で開いた。基調講演、同区立小学校4校による実践報告、グループ討議を実施。日頃の取り組みが発表される一方で、小学生がユネスコの意図通りに、ボランティア活動に参加したのを証明するこのパスポートを活用するのは難しいなどの課題も浮き彫りになった。

実践報告では、ユネスコスクールである同区立の西戸山小学校のほか、ユネスコスクールではない落合第四小学校、淀橋第四小学校、戸塚第二小学校も取り組みを発表した。

地域の清掃活動、リサイクル活動、介護施設や老人ホームを訪ねての福祉活動、ネパール大地震を受けての募金活動など、各校ではさまざまな取り組みを実施している。児童は「自分たちの取り組みで地域がきれいになる実感をもてた」「困っている人の役に立ててうれしかった」などと話しているという。

ホタルの飼育や、酪農家をゲストティーチャーとして招いて「食」と「いのち」と「農業」を学ぶ活動をするなど、環境といのちの問題を結びつけた取り組みも報告された。

同パスポートは、ユネスコ協会がユネスコスクールの児童生徒に発行するもの。ボランティア参加を促進するのが狙い。同区では、ユネスコスクール以外の学校にも配布しており、この日、発表したユネスコスクールではない3校の児童も持っている。

ボランティアの機会は、ユネスコ協会や地域の市民団体などが提供するとしている。ボランティアをすると、このパスポートにシールを貼り、認定単位を証明する。単位が基準に達すると、ユネスコ協会が「活動認定証」を発行する。

パスポート発行には、ボランティアを通じて、(1)関わりやつながりを大事にする姿勢(2)課題解決に向けて自主的に考えて行動する姿勢(3)地域や世界の課題を自らの問題として捉える姿勢――を養成する意図がある。

参加者の小学校長のひとりは、「ユネスコ協会に、パスポートの単位として認められるボランティアを問い合わせたら、『教育活動外の活動』と言われた。小学生が教育活動外で取り組めるボランティアと言われても、何をすればいいのか」と、小学生にユネスコ協会の意図通りの活動機会を設定する難しさを口にした。「ユネスコ協会が、地域団体との橋渡しをしてくれたら」と、地域のユネスコ協会の尽力に期待する意見もあった。

参加した各地域のユネスコ協会関係者は、「学校に活動の場を十分に提供できていないのは、協会の課題」とコメント。「協会の意図とは違い、小学生にとっては、パスポートがボランティア記録手帳のようになってしまっている」などとも漏らした。

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