AL導入には時間が足りない 受験との狭間で苦しい

高校現場の苦しい状況が語られた
高校現場の苦しい状況が語られた

中教審初等中等教育分科会教育課程部会の理科ワーキンググループ第4回会合が2月5日、文科省内で開かれた。

アクティブ・ラーニング(AL)を前提とした資質・能力を育むために重視すべき学習過程等のたたき台(高校)案が示された。

三浦淳子広島県立広島国泰寺高校指導教諭は、「前回の学習指導要領の改訂で、実感を伴った理解を促すために、観察や実験に力を注ぐよう示されたが、実際には全てで行うのは難しい。ここにALが加わると、教えるべき内容を相当に精選しない限り、教科書を全て教えるのは不可能」と、限られた時間数でのやりくりの難しさを吐露。

また「教科書で参考、発展となっている部分を飛ばしたら、そこからセンター試験で問題が出た。そうなると全てを授業で網羅しなければならなくなる。学校現場は観察、実験どころではない。理科で身につけさせたい資質・能力を育てるシステムがないと、教えたい内容と進路指導の狭間で苦しむ」と、現場の実情を語った。

川村教一秋田大学教育文化学部教授は、「中学校でALでの指導をしている。生徒たちは、話し合い活動を通して試行錯誤する方が、学びを大きなものにすることができる。とはいえ、40人学級で教員1人が毎回行うのは難しい。だが、何度もALをやらなければ、望ましい力はつかない」と、少人数学級の実現、TTによる指導などが、ALで効果を出すには必要だとした。

田代直幸常葉大学大学院初等教育高度実践研究科准教授は、「教科書通りに実験しようとしても、教師に力量がないとできない。実験ができるようになるための研修が大事」と指摘した。

片平克弘筑波大学人間系教授は、「ALといっても、それだけすればよいのか。協働の学びの重要性は確かにあるが、グループでやっていると分かったつもりになる場合がある。学習はひとりで振り返る場面も必要」とディープ・アクティブ・ラーニングの必要性を話した。

事務局からは、理科の4領域、エネルギー、粒子、生命、地球での特徴的な見方が示された。

エネルギーは、小学校では可視レベル、中・高校では可視から不可視レベルへ。

粒子は、小学校で物レベル、中・高校で物質レベル。

生命は、小学校では個体から集団レベルへ、中学校で細胞から個体を経て集団レベルへ、高校では分子から細胞、個体を経て集団レベルへ。

地球は、小学校では身の回りレベル、中学校では身の回りレベルから地球周辺レベルへ。高校では身の回りレベルから地球へ、さらに宇宙レベルへ。

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