PISA低成績因で最新報告 経済不利と教員の支援不足

PISA分野別最新レポート「低成績の生徒:何故成績が下がるのか、支援する方策は?」が2月10日、世界同時にウェブ発信される。レポートは、成績の低い生徒に注目し、その要因を探る内容。

これに先立ち、前日9日、アンドレアス・シュライヒャー教育・スキル局長が、OECD東京センターで、ビデオ会議形式による事前ブリーフィングを行った。

それによれば、加盟国生徒の低成績の要因は、社会経済的に不利な状況を有する点では共通しているが、日本の場合はそれ以外に、教員からの支援が薄いなどが要因と指摘された。また低成績生徒への対応から得られる社会的利益に比べると、かかるコストは小さく、その教育政策の実施こそが、問題を乗り越える助けとなると語った。

レポートによると、OECD加盟国中の15歳生徒約450万人の4人に1人以上が、読解、数的能力、科学的能力で最も基礎的なレベルに達せず、その他の国々は、この割合はさらに大きくなっている。

また2003年から2012年までのPISA結果を分析すると、低成績の生徒の学力を向上できた国はほとんどなく、逆に、低成績の生徒の割合が増えている国もある。ただ、数的能力の低成績生徒の割合を減らすのに成功した国もある。

生徒が低成績になりやすい原因は、▽社会経済的に恵まれていない▽就学前教育を受けていない割合が高い――などが挙げられる。この点について同局長は、「低成績生徒への対応から得られる社会経済的利益に比べると、それにかかるコストは小さい。教育政策とその実施こそが、この問題を乗り越える助けとなる。全ての子どもがよい成績をあげられるよう、優先させるべきであるし、必要な教育リソースがあてられるべきだ」と説明した。

一方、低成績生徒は、数学に対して忍耐力や動機、自信に欠ける傾向があるため、好成績の生徒に比べて授業をさぼるなどのケースが多くなる。また教員がよりサポートする学校では、低成績生徒が少ない場合が多く、その反対の学校では、低成績生徒が多い傾向にある。

これらの分析結果から「社会経済的に優位なバックグラウンドを持つ生徒とそうでない生徒が同じ学校で学ぶのは、低成績生徒が少ないことと強く関連していた。このことから、教育リソースをより平等に分配するシステムこそが、低成績生徒に利益となる」とした。

具体的な政策としては、(1)低成績生徒を特定し、彼らに合った政策戦略をつくる(2)可能な限り早い段階で補助的なサポートを提供する(3)社会経済的に恵まれない学校や家庭に焦点を絞った支援を提供する――などを挙げた。

日本の生徒の低成績の要因については、記者からの質問に答えて、「社会経済的に恵まれない問題のほかに、教員の生徒に対する期待が低く、サポートが薄い学校」「好成績を期待する保護者からのプレッシャーが低い学校」などを挙げた。

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