返信しないと嫌われそう 生徒がスマホの本音話し合う

スマホ使用の実情についてグループで議論した
スマホ使用の実情についてグループで議論した

埼玉県三郷市教委は2月11日、同市の中学生による「三郷のみんなで実現させる5つのケータイルール」推進のための取り組みを行った。ケータイやスマホを取り巻く実態や課題を話し合い、節度ある使用のためにできる策を練った。参加した中学生は、深夜の使用や長電話を問題だと自覚する一方で、「返信をしないと嫌われそうで不安だから」と、深夜まで長時間スマホを使用する本音を語った。

当日は、同市内の全8中学校から代表者数人ずつが参加。学校混合のグループに分かれ、昨年度に策定された市内共通のケータイルールが守られているかなどを議論。実態と課題の洗い出しから始め、最後は、スマホ依存を防止するキャッチフレーズを考案した。

各グループには、ファシリテーターとして埼玉県立三郷工業技術高校情報電子科の生徒が加わり、議論を促進した。

昨年度、中学生と、同市PTA連合会や同市中学校長会などの大人が共同で策定したルールは、次の通り。

▽午後9時以降の使用を控え、1時間以内を目指す▽他人を傷つける言葉や個人情報を書き込まない▽勝手に課金しない▽有害サイトに出会ったら、周りの大人に相談する▽ながらスマホ・ケータイをしない。

ルールについて、「守っていない人が多い」とする声が多かった。具体的な現状として、▽グループラインやツイッターでのやりとりで徹夜してしまう▽グループラインで「最初に寝た人は罰ゲーム」などの遊びが始まる▽通話時間表示をスクリーンショットで友人に送信し、長電話を自慢する▽ラインをブロックするなどして人を傷つける▽「小遣いの範囲なら」と気軽に課金してしまう▽人の連絡先を勝手に教えてしまう――などが挙げられた。

課題として「スマホの長時間使用で、勉強時間が少ない」「面と向かうとあまりしゃべらない子が、ラインだと多弁になる。ネットに頼って、コミュニケーション能力が育たない」「深夜までスマホを使っているから、授業中に居眠りをする」「基本的なモラルを身に付けないといけない」などの意見があった。スマホを持っていない生徒が、「ネットばかりでなく、もっと学校でしゃべってほしいのに」と漏らす場面もあった。

この意見交換を受けて、課題の克服に効果がありそうな工夫や、自校でできそうな取り組みを考案し、発表した。

現状の原因については「夜更かしを格好いいと思っている」「みんなが使っているから自分も使う」「返信をしないと友達に嫌われそうで不安」などと推測。高校生からは「返信をしないだけで本当に嫌われるかな?」との問いかけがあり、中学生は「自分は嫌いにならないけれど、相手には嫌われるかも」「既読無視されると責める子もいる」「僕は返信を気にしないけれど、気にする人もいると思う」など、本音を語った。

ただ、教委側がフロアの参加者全員に、返信の有無を気にするかどうかを問うと、すぐに返信がなくても気にしない人が多いと明らかになり、中学生が気を遣いすぎている傾向もみえた。

これらの課題解決や、スマホ依存の防止に向けて、キャッチフレーズを考えた。「長時間使用」「遅い時間帯の使用」「ながらスマホ」「中傷」「課金」のグループに分かれ、それぞれの課題を克服するメッセージを設定。キャッチフレーズは今後、クリアファイルに印刷され、市内の全中学生に配布される。

同市では、「ケータイに依存しないで、明るく活力ある毎日を過ごせるように」との教育長の強い思いから、この取り組みを実施。これまでに、CMの作成なども行った。今後は、ケータイやスマホの依存度を測るチェックシートも作成する。中学生が紙ベースで作ったものを、同高校生たちがプログラミングし、同市教委のホームページに掲載する予定。

関連記事