赤堀侃司氏が講演 ICT活用で主導権は子どもたちに

ICTを活用したアクティブ・ラーニングを語る赤堀侃司氏
ICTを活用したアクティブ・ラーニングを語る赤堀侃司氏

東京都武蔵村山市立小中一貫校大南学園第七小学校は2月15日、教育ICTセミナーを開催。公開授業、基調講演、パネルディスカッションなどを実施した。講演では「ICTを使うとき、主導権は子どもに」「子どもが自ら学び、気付く。教員は助言役」など、タブレットPCを用いた新しい授業デザインを語った。

基調講演をしたのは、(一社)日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)会長の赤堀侃司東京工業大学名誉教授。「タブレットを用いた授業デザイン~アクティブ・ラーニングとICT活用」を演題に、授業におけるタブレット使用の効果などについて語った。

同氏は講演冒頭、中国とフィンランドと日本の授業風景を収めた動画を映した。ペア学習やICTの使い方などを中心に、その特徴の違いを説明。大勢の子どもたちを一斉に教えていく点で、日本の教員はとても優れていると力説した。

今後は、子ども自身がもっと深く考える授業を展開する必要があるとし、そのための道具としてICTが有用だと語った。「日本の教員には十分に力がついているが、ICTを使うことで、子どもの側に主導権を渡してもらえないだろうか。子どもの可能性をもっと伸ばせる使い方はできないだろうか」と、思いを投げかけた。

タブレットの授業での活用については、次の3段階を示した。

第1段階は「タブレットの機能を使う・教員が使う・子どもが使う」。第2段階は「アプリを使う・単元アプリを使う・ツールアプリを使う」。第3段階は「動画を使う・クラス内反転学習・反転授業」。

その上で、「できるところからやってほしい」と提案した。

また「子どもがカメラ機能で写真を撮るのには、学習効果があるのか」などについて解説。大学生を対象に、授業で「ノートだけとるグループ」と「写真だけ撮るグループ」に分けて調査した経験を語った。結果は、両グループともに同じ効果があったとし、「いちばん良いのは、写真を撮ってメモをとる方法」と付け加えた。「脳は、あとから聞いた内容は忘れるが、『すごいな』と思った瞬間に写真に収めれば、思い出せる」との見解を述べた。

その他、「計算や漢字などのドリルアプリは、学習効果があるのか」「反転学習の教育的意義はなにか」などが語られた。タブレットを使用した反転学習では、タブレットが教員の代わりになる。同氏は、「これからのアクティブ・ラーニングでは、子どもたち自身がICTで学習コンテンツなどにアクセスし、教員が学びのポイントをアドバイスする。その方が、よほど脳に入るはずだ」と締めくくった。

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