入試に出ないと学ばない 高校の新科目に現実的問題

高校の地歴科、公民科に置く新科目が現場に浸透する方途を探った
高校の地歴科、公民科に置く新科目が現場に浸透する方途を探った

中教審初等中等教育分科会教育課程部会は2月16日、「高等学校の地歴・公民科科目の在り方に関する特別チーム」の第3回会合を文科省で開いた。高校の地理歴史科、公民科に置く新科目「歴史総合(仮称)」「地理総合(仮称)」「公共(仮称)」の内容を検討。現場にどう定着させるかについて、「入試科目にないと、高校生が学ぶ気にならない」など、現実的な意見が述べられた。

「歴史総合」については、「とても重要な科目」との発言がある一方で、「高大接続を考えた場合、高校の教員が、『大学入試に出る日本史や世界史があれば、歴史総合は教えなくていい』と考えてしまうと、歴史総合の意味がなくなってしまう」などの意見があった。「大学側の入試問題の在り方自体を議論する必要がある」と言及する声もあった。

同様の意見は「公共」についても述べられた。「受験科目にないと、それだけで、高校生は学ぶ気がなくなってしまう」などの懸念が表明され、「選択制だとしても、入試に全ての科目を含んでほしい」との提案があった。

文科省は「歴史総合」について、▽現代の諸課題の背景にある歴史を、グローバル化につながる近現代における歴史の転換に着目して追究するとともに、日本および世界の歴史の考察に関わる概念を理解する▽単元の基軸となる本質的で大きな問いを設け、諸資料を適切に活用しながら、歴史を考察する手立てを用いて追究し、「歴史の学び方」を身に付ける――との方向性を示している。

これで培った歴史の学び方を活用して取り組む新選択科目には、「世界史(案)」「日本史(案)」を設定する。

「地理総合」では、地理的な技能、見方や考え方を身に付ける。その力を活用し探究を深める(1)現代世界の系統地理的考察(2)現代世界の地誌的考察(3)現代日本に求められる国土像――を、新選択科目(案)としている。

「公共」では、▽現代社会の課題を捉え、考察するための基準となる概念や理論を、古今東西の知的蓄積を通して習得する▽立場や文化によって意見の異なるさまざまな課題について、その背景にある考え方を踏まえてよりよい解決の在り方を共働的に考察し、公正に判断し、合意形成する力を養う▽持続可能な社会づくりの主体となるために、さまざまな課題の発見・解決に向けた探究を行い、平和で民主的な国家・社会の形成者として必要な資質・能力を養う。

それを生かした新選択科目には、自立して思索を行うとともに、他者と共に生きる主体を育む「倫理(仮称)」と、国家・社会の形成に、より積極的な役割を果たす主体を育む「政治・経済(仮称)」の設置を示している。

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