いじめ防止法改正に向け文科相に要望書 大津の遺族ら

越市長から要望書を受け取る馳文科省
越市長から要望書を受け取る馳文科相

いじめを受けて自殺した滋賀県大津市立中学校2年生の男子生徒(当時13)の遺族(父親、50)と同市の越直美市長が2月17日、「いじめ防止対策推進法」を改正する際に、検討の参考にしてもらいたいと、要望書を馳浩文科相に手渡した。

同法が施行されて2年半が経過するが、学校で義務付けられているいじめ基本方針が運用されていないなど、法の形骸化が指摘されている。

同法では、施行後3年を目途に、法律の施行状況等を勘案し、検討が加えられ、必要があると認められるときには、その結果に基づいて必要な措置が講ぜられるものとされている。

要望書は、この「必要な措置」に向けて手渡されたもの。学校で定期的に実施されるアンケート結果を家庭や教委に公表するよう求めたほか、いじめ防止基本方針の義務化を明記した。加えて、同市が中学校2年生自殺事案をきっかけに設けた「いじめ対策担当教員」の全国配置を求めた。このほか、アンケートの公開基準を定めて調査の公平性・透明性などを要望した。

馳文科相との面談では、遺族がこれまでのいじめ事案での教委や学校の対応に言及し「各学校が定めているいじめ基本防止方針が履行されていない。履行されていれば、救われた命はたくさんあった」として、履行の義務化を訴えた。

越市長は、「市がこれまでに取り組んでいるいじめ対策を要望書に盛り込んだ」と実効性のある同法の改正を求めた。

これに対して馳文科相は、「まずは各自治体でいじめ防止対策推進法の旨を理解し、実施しているのか確認しないといけない」と話した。

遺族は今後、当時のいじめ防止対策推法の立法チームに所属していた国会議員約40人の事務所に行き、文科相に手渡したものと同様の要望書を手渡すという。

平成23年10月に起きた大津市中2いじめ自殺事案は、自殺の練習をさせるなど陰惨なものだった。さらに、事案発生前後の学校と教委の隠蔽体質が発覚し、問題視された。この事案をきっかけに、同法が策定された。学校教育における責任の所在を明確にするために、首長と教育長が公の場で議論する総合教育会議などを設ける地行法の改正にもつながった。

議員立法である同法の立法チーム座長には、当時の馳衆院議員が就いていた。

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