生活と社会から技術と家庭の課題見いだす 中教審WG

児童生徒に求めるレベルの視点について議論
児童生徒に求めるレベルの視点について議論

中教審初等中等教育分科会教育課程部会は2月17日、「家庭、技術・家庭ワーキンググループ」の第4回・第5回会合を文科省で開いた。第4回は技術分野、第5回は家庭科・家庭分野を中心に議論。委員らは「技術を工夫した結果、社会がよくなっていく」「生活を見ながら社会に目を向けていくのが家庭科」などと教科の特徴を熱弁。特に技術分野では、児童生徒にどのレベルの視点を求めるのかについて、議論が白熱した。

まず、技術分野、家庭科・家庭分野それぞれにおける教育のイメージ(たたき台)について、委員が意見を出し合った。

技術分野では、高校のイメージに表記されている「持続可能な社会の構築」について、家庭分野にも記載すべきだと提案された。中学校の「技術を用いてよりよい生活を工夫し創造」の表記には、「技術は、『技術を用いて工夫』というより『技術そのものを工夫』する教科ではないか」と違和感を訴える委員がいた。「工夫して生活を創造するのが家庭分野。技術は、それそのものが工夫の対象」と主張した。

家庭科・家庭分野では、「少子高齢社会に対応する力」との表記が分かりにくいとし、より具体的な表現が求められた。高校以外の校種には食生活や食育の観点が盛り込まれている点から、高校にもその観点を加筆してほしいと要望する声があった。

育成すべき資質・能力の整理(たたき台)に関しては、技術分野の思考力・判断力・表現力の領域に記載された「生活における問題の中から技術を用いて解決すべき課題を見いだす力」「生活における課題解決のために、適切な技術を選択、管理・運用したり、自分なりの新しい考え方やとらえ方によって改良、統合したりする力」の2文について、議論が集中した。

「『生活』ではなく『社会』と表記した方がいい」「『生活』の視点も大事」「日本の将来を考えたら、『生活』に絞らない方がいい」など、さまざまな意見が交錯した。

これを受けて事務局は、「授業展開を考えたときに、『生活』とした方が子どもが課題を見いだしやすいのか、『社会』から見いだすところまでいけるのか」と、議論の方向性を示唆。その後、「自分の部屋の電気は『生活』だが、その電気がどこからくるのかを考えたら『社会』になる」「2030年の技術はわれわれの想像を超える。もう少し高い目標を求めてもいいのでは」などの発言が続いた。最終的には、「『生活や社会』と表記するのがいいのではないか」との意見が多く表明され、この議論は収束した。

個別の知識や技能の領域については、「歴史上の偉大な科学者たちが、どのような視点と思考でその技術を開発したかを学ぶと、技術に対する理解がより深まる」との見解が示され、その内容を加える提案があった。

高校の家庭分野では、「納税者の意識と税の使われ方、社会保障などについて、もっと踏み込んでほしい」と訴える声があった。現在、高校では、公民科の「現代社会」などの科目でこれを学んでいる。新科目の「公共(仮称)」で、どのように組み込まれていくのか、といった部分にまで議論は及んだ。

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