人気漫画ONEPIECEも歌舞伎に 現代に生きる魅力学ぶ

せりふを苦労しながら実際に音読した
せりふを苦労しながら実際に音読した

「歌舞伎は現代でも進化してるんだ。みんなが知ってる海賊王を目指すルフィ。ONE PIECEが歌舞伎になってるんだよ!」「えーッ!」

横浜市立鳥が丘小学校(岩間和子校長、児童数638人)は、同校の5、6年生234人と保護者を対象にした歌舞伎の特別授業を、2月17日に行った。講師としてアナウンサーで古典芸能解説者の葛西聖司さんが来校。単なる伝統芸能だけではない現代に生きる歌舞伎の魅力を伝えたり、地元、神奈川県にちなんだ作品のせりふを児童と音読したりして楽しさを味わった。

授業前半は、葛西さんが、児童におなじみの人気漫画「ONE PIECE」を題材にしたスーパー歌舞伎が演じられていると説明。ルフィたちの大冒険を舞台に取り入れ、古典芸能だけではない、現代に生きて進化する歌舞伎の魅力を伝えた。

児童の地元、神奈川県にちなむ作品「外郎売(ういろううり)」のせりふを実演の動画と比べながら音読もした。葛西さんは、せりふの中の「心得たんぼの川崎神奈川程ヶ谷とつかわ走って行けば~」を児童に着目させ、同校がある戸塚区の地名が盛り込まれている点に気付かせた。

さらに、「とつかわ」という言葉の意味が、「慌てた様子」を示すと説明。「戸塚(とつか)」の地名と「慌てて走っていく」という意味を重ね合わせた「掛詞」として使っているなどと話した。

児童は、なじみ深い地名を見いだしながら、歌舞伎のせりふに込められたユーモアとリズムを楽しんでいた。

また、「天目百杯棒八百本、武具馬具武具馬具三武具馬具合わせて武具馬具六武具馬具~」という早口言葉を織り交ぜたところでは、児童がところどころつまずきながらも音読を続け、日本語の韻を踏んだ表現とテンポの良い語調に強く引きつけられている様子がみえた。

その後、実際の上演動画を視聴しながら、数々の演出の工夫を説明。寺の屋根がひっくり返り、一気に舞台が変化する大胆な演出や、「祇園祭礼信仰記」のネズミが桜の花びらに瞬時に変わる仕掛けなどを見せた。児童には一見、とりつきにくい歌舞伎の面白さを、存分に感じ取ってもらった。

最後に葛西さんは「ぜひ一度、実演を見てください。東京オリンピック・パラリンピックなどで外国人が日本に大勢来ますし、外国人との交流としても、とても良い接点ができますよ」などと児童に勧めた。

児童は「地元神奈川県が舞台の作品があるのに驚いた。歌舞伎への興味が強くなった」などの感想を話していた。

同授業は、総合的な学習の日本の伝統文化理解の1つとして実施。実践を模索する中で、松竹㈱が提供する「歌舞伎教室」と連携し、同校の教育目標やふさわしい内容を考慮しながら、授業プログラム作りを進めたという。

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