虐待発見などを早期発見 養護教諭の役割で研究協議会

全国養護教諭連絡協議会は2月19日、東京都港区のメルパルクホールで第21回研究協議会を開いた。

冒頭、挨拶に立った木嶋晴代会長は、「いまインフルエンザが、たいへん流行している。感染症拡大防止のためにも、毎日の健康観察はとても大事。子どもたちの健康状態を把握する重要な情報源だ」と話した。

また平成28年度から変わる健康診断に言及し、「昨年配布された『児童生徒等の健康診断マニュアル』をもとに、来年度から実施する。家庭からの情報をもとに診る四肢の状態を含む健康診断結果や健康観察を通して、いじめや虐待などを早期発見するのも養護教諭の大切な仕事」と語った。

さらに「子どもたちの心身の危うさを見つけたら、教職員をはじめ、時には地域や関係機関などとの連携をコーディネートするなど、養護教諭の果たす責任は重くなる」とした。

祝辞を述べた和田勝行文科省初等中等教育局健康教育・食育課課長は、「子どもの健康診断や健康観察の情報を持つ養護教諭の役割は大きい。四肢の状態など、家庭からの情報なども収集して、一人ひとりを把握する。必要ならば、早期に学校医に相談するなど、的確な対応をしてほしい」と要望した。

また「政府が推進しているがん教育についても、視野に入れてほしい。現在は、モデル校での実施にとどまっているが、今後、全国で行うようになる。文科省は補助教材を作成し、来年度、ホームページに掲載する予定でいる。TTで授業を行ったり、地域の適切な人材を出前授業の講師に頼んだりと、養護教諭の役目は大きい」と、今後に期待を寄せた。

この後、為末大(一社)アスリートソサエティ代表理事が「ハードルを越える―自己実現のための一歩として」をテーマに特別講演を行った。

為末代表理事は、陸上400メートルハードルで01年と05年、2度の世界選手権で銅メダリストとなった。

00年にはじめて出場したシドニーオリンピックでは、予選でハードルを倒して転倒してしまった。「失敗の後、原因をいろいろ考えた。そして海外へ出るようにし、翌年、銅メダルをとった。失敗の事実は変わらないが、その後の取り組みで意味は変わってくる」と、失敗後の人生をどう歩くかが大事だとして、「失敗も成功も、それだけでは意味がない」と語った。

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けては、義足の開発やパラリンピアンの強化などに携わっている。

「義足の技術開発によって、走り幅跳びでパラリンピック記録がオリンピック記録を抜く可能性が出てきた。パラリンピックでヒーローがたくさん生まれれば、障害者に対する社会の見方が変わる」と、共生社会の実現に期待を寄せた。

関連記事