こども教育支援財団 不登校を克服した生徒の声を聞く

自らの経験について語る米田さんと菅野さん
自らの経験について語る米田さんと菅野さん

(公財)こども教育支援財団は2月20日、不登校を克服した高校生の“生の声”を聞く「教育シンポジウム」を千葉市内で開いた。会場には不登校の子どもを抱える保護者や教育関係者が来場し、真剣な眼差しで耳を傾けた。

現在、不登校の小・中学生は12万人を超える。「勉強のプレッシャー」「対人関係が嫌になって」など、不登校の原因はさまざまだ。この日、不登校を経験した米田翼さんと菅野萌花さんが、その原因や復帰のきっかけなどについて語った。2人は現在、クラーク記念国際高校千葉キャンパスに通う高校2年生。住まいは千葉市内だ。

米田さんは、都内の私立中学校に、1時間半をかけて通っていた。勉強のプレッシャーがあり、通学時間が長いので「つらい」と、学校に行けなくなった。当時の先生からは「勉強が遅れるから学校に来い」と電話がよくかかってきたという。母との間には、不登校をめぐって言い争いが耐えなかった。

転機となったのは、険悪な関係となっていた母の一言だった。「高校や大学へ行って巻き返せばいいじゃない」

米田さんは「この言葉で、すっと気持ちが落ち着いた」と当時を振り返る。その後は公立中学校に転校し、すぐには学校に復帰できなかったが、適応指導教室に通い、そこで友人もできた。「大学に進学して理系の職業に就きたい」と夢を描く。

菅野さんも同じ状況だった。都内の私立中学校に通い、周りからの期待に耐えられなくなった。好きなバスケットボール部にのめり込めばのめり込むほど、成績は落ちていった。部活の先輩との関係もうまくいかない。いつの間にか学校から足が遠のき、家に引きこもる日が多くなった。だが、幼なじみの一言が彼女を救った。「うちの中学校にくればいいじゃん」

受験間近の中学校3年生の9月に、公立中学校に転校した。学校は彼女に配慮して、小学校時の友人が多いクラスに入れてくれた。菅野さんは「担任の先生に『無理に学校に来なくていいよ』と言われて、気持ちが楽になった」と笑顔で語る。

現在は、高校で仲の良い友人もでき「学校が楽しい」と胸を張った。

この後、埼玉県立大学の東宏行教授が不登校対策について講演し、時期によって対応の仕方が違うと説明した。

不登校の初期は「登校の励ましが必要だ。だが、ひきこもり期には刺激はあまりしない方がよい」と呼び掛けた。

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