使われる学習指導要領を 特別支援教育部会で意見

中教審初等中等教育分科会教育課程部会特別支援教育部会の第6回会合が2月22日、文科省内で行われた。知的障害のある児童生徒のための各教科の改善・充実の方向性について、事務局から検討素案が示された。委員からは「特別支援学校の現場では、学習指導要領が驚くほど使われていない」といった意見があった。

事務局が示した各教科の改善・充実の方向性は――。

▽育成すべき資質・能力との関連を踏まえた各教科の目標を「知識・技能」「思考・判断・表現」「学びに向かう力、人間性等」の3つの柱とする▽社会の変化に対応した各教科の内容や構成の充実▽質の高い学びの実現に向けて指導方法の充実▽観点別学習状況評価の導入と多様な評価方法の活用▽特別支援学級での取り扱いと小・中・高校の各教科との関連の可視化。

意見交換では、横倉久東京都立大塚ろう学校長が学校現場からの視点として、「現場では驚くほど学習指導要領や指導書が使われていない。学習指導要領に依拠せず、独自に教育課程を編成し、自立活動を行っている。もっとひもとかれる学習指導要領にした方がいい」とした。

加藤正仁(社福)からしだねうめだ・あけぼの学園長は「18歳から選挙権がある時代。意見表明する能力、スキルも必要。小・中・高校の特別支援学級と特別支援学校とを行ったり来たりできるよう、もっとファジーに捉え、学びに柔軟性を持たせていいのでは」と提言した。

村上由則宮城教育大学大学院教育学研究科教授は「小・中・高校のタテのつながり、高校の特別支援学級と特別支援学校の高等部といったヨコのつながり、双方向性がほしい」とした。

川合紀宗広島大学大学院教育学研究科附属特別支援教育実践センター長は「中学校で通級は減少する。その後、高校で通級があると言われて、そこに行くだろうか。心理的抵抗感を解消しないと」と中学校の通級の充実を訴えた。また「たとえばLDの生徒は自立活動にはそぐわない。障害種によって個別の指導ができる教員を養成していかないといけない」と、個別の指導ができる教員の養成が必要とした。

田中容子東京都三鷹市教委教育支援担当課長は行政の立場から「小学校では、小学校と特別支援教育の免許があればできる。教科だけの免許をもつ中学校の教諭が、特別支援教育をするのは難しい。高校ではもっと難しい。そうであるならば、福祉の言語療法士や聴覚療法士、心理士などに自立活動を担当してもらったらどうか。教員とのコラボレーションもあり」と専門家との連携を提言した。

そのほか、自助ツールとして効果的なICTの活用、中・高校教員免許に現在とは異なった形での特別支援教育の免許を作ったらといった声も聞かれた。

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