子どもの成長とともに教員の意識改革 生活・総合WG

総合的な学習の時間について、現状の課題と目指すべき位置付けが語られた
総合的な学習の時間について、現状の課題と目指すべき位置付けが語られた

中教審初等中等教育分科会教育課程部会は2月23日、生活・総合的な学習の時間ワーキンググループの第4回会合を、文科省で開いた。委員からは、「子どもの資質・能力を育てるとともに、教員の意識改革を」「子ども自身が自分の変容をきっちり振り返るのが大事」などの意見が出た。

今会合は、「カリキュラム・マネジメントの視点から、総合的な学習の時間の意義や役割をどう捉えるか」が主な議題となった。

文科省が提示するカリキュラム・マネジメントのイメージでは、「学校の教育目標」の下に「育成すべき資質・能力」があり、その下に「各教科等」と「総合的な学習の時間」が置かれている。その上で、「総合的な学習の時間の目標は、各学校が育てたいと願う児童生徒像や、育てようとする資質・能力および態度などを表現したものになるのが求められるため、学校の教育目標と直接的につながる」と注記されている。

このイメージについて多くの委員が「『各教科等』と『総合的な学習の時間』が並列になっているのには違和感がある」と訴えた。そのイメージについては、「『総合』を『各教科等』の上に」「『各教科等』の中心に『総合』」「『各教科等』を取り囲むように『総合』」「『総合』を『各教科等』の土台のように」などと、さまざまな論が展開された。

複数の委員が、総合的な学習の時間に「生活や暮らしとの関わりを意識し、活動をした結果、子どもの発信によって大人が学び、コミュニティーが広がっていく」とのイメージを持っていた。「子どもの資質・能力を育てるとともに、教員が意識改革をする時間」と強調された。

「地域の実態と合ってこそ意味がある」「学びの目的は社会。学びの動機も社会」と、教室から社会に目を向けるよう願う意見があった。また「課題の設定が課題。解決したいことが見いだせず、調べ学習にとどまっている」とし、深い学びを実現する課題を見つけるために、社会での実践を促した。

評価については、「単元や年度の終わりに、自分にどんな変革があったのかを振り返らせるのが重要」とする意見が出た。総合的な学習の時間は、教科学習のように、一定のテストによって学習の達成度を認識する機会がない。それだけに、「たとえ授業が延びて時間がなくても、毎回、授業の終わりに振り返りをする」のが大切だと念を押した。別の委員は「経験したり考えたりした内容を整理してやらないと」と話し、学びとは何か、学んだ内容を生かすとはどのようなことかを整理し、次の段階に進む重要性を示した。

中・長期的な学びのプロセスとしてカリキュラムを発想する必要性にふれた意見もあった。「総合で学んだ内容が算数に生きたり、理科で学んだ内容が総合に生きたり。足し算ではなく掛け算。表構造ではなくネットワーク構造でカリキュラムを構想しなければならない」とした。

この日は、福島県立ふたば未来学園高校の南郷市兵副校長による実践発表もあった。「未来創造型教育~総合的な学習の時間を軸としたカリキュラムの展開」をテーマに、総合的な学習の時間の目標が、そのまま学校全体の基盤になっている様子を語った。

同校は、東日本大震災から4年経った昨年4月、152人の第1期生を迎えて開校。南郷氏は文科省から同県教委に派遣され副校長となった。

関連記事