CAN-DOリストの扱いで提言 評価について協議

小学校と高校の評価の現状から考えた
小学校と高校の評価の現状から考えた

中教審教育課程部会外国語ワーキンググループの第6回会合が2月23日、文科省で開かれた。委員2人が小学校外国語活動や高校英語の指導、評価に関する現状や課題などを示し、今後の評価の在り方について議論を深めた。

委員の神奈川県立国際言語文化アカデミアの江原美明教授は、まず高校英語の指導と評価の現状、課題を報告した。

主体的、協働的、対話的な学びの実現などを目指す高校英語指導が進行する中で、学校や教員によっては指導や評価の捉え方について理解が異なり、食い違いが生じている点などを指摘。さらに、現在のCAN-DOリストの扱い方や作成では、内容の複雑さや作成・運用の難しさ、系統的な指導に生かせない単発発信型のタスクである点などを課題視した。

その上で、今後の英語指導を踏まえた評価の改善点を複数挙げた。CAN-DOリストでは、身に付けさせる内容の基本を明示して教員間で共通理解する点や教員の指導の創造性、独自性、振り返りに生かせる大きな枠組みの提示などを提案した。

情意面や主体的に学ぶ態度など、評価しにくい要素を適切に評価するため、目標準拠評価に基づく定期テストや日常の学習評価、パフォーマンス評価などの多様な評価をバランスよく行い、生徒の学習意欲を高めていきたいなども提言した。

小学校外国語活動の指導と評価については、委員の平岡昌子広島県神石高原町立油木小学校教諭が説明。

現在の小学校外国語活動では、コミュニケーションへの関心、意欲、態度など3観点で、文章記述による評価を実施している。行動観察として評価規準を基に児童の学びを見取り、振り返りカードで、児童の学びの自己評価や学習内容を通じた分析などを進めているとした。

これらの評価で、児童を多面的に見取れて、授業改善に向けた視点などが得られる点が効果的とした。一方で、文章記述が煩雑化して教師の評価観点や見取りの妥当性が多様となり、分かりにくい、児童がどんな力を身に付けたかが分かりにくいなどの課題を挙げた。

また研究開発学校の英語科の評価事例としてパフォーマンス評価についても言及。教師、さらには児童同士で、学習や発表の様子を動画などに記録し、評価規準に沿って評価している。評価規準の作成により教員間で目指す子ども像の共通理解が図れ、目標に向けた指導が明確になる点や、授業での児童の表情や発話が記録されるため、単なるイメージや一過性でない児童の力が見取れるなどとした。

半面、撮影の労力や時間が多く割かれる課題も示した。

その上で、今後の評価の視点として、▽目標に準拠した評価や学校ごとの学習到達目標を設定し、それに応じた多様な学習評価を行う▽CAN-DOリスト形式の学習到達目標を児童と共有し評価に生かす▽主体的に学びに取り組む態度を評価する――などを挙げた。

2委員の報告を参考に、後半は今後の評価の在り方について協議。「学校によっては総括と形成的評価の違いが、しっかりと理解されていない」や、「多面的な評価はもっともだが、教師の多忙さに拍車をかけている。指導と評価の一体化が重要。シンプルで指導の充実を見据えた内容を」などの意見が出た。

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