新たな大学入試制度の在り方を検討している文科省の高大接続システム改革会議は2月24日、大学個別試験であるAOや推薦、一般の入試区分を見直す考えを明らかにした。学習指導要領に明記されている学力3要素を公平に測るために、各試験での偏りをなくすのがねらい。平成29年度初頭に、新たな区分について予告通知を発出する見込み。
一部の推薦、AOでは、「知識・技能」「思考力・判断力・表現力」などを問わない入試もあり、「学力検査を免除」と明記されている入試要領もある。新ルールでは、こうした点を削除してはどうかなどの具体例が挙げられた。
さらに、一般入試では暗記中心の問題が多く、能力・経験を多面的・総合的に評価する必要性があるとした。自由度の高い記述式、小論文の導入などを提案した。
時期に関しても検討する。
28年度には、入試区分の見直しについて大学と高校関係者の協議の場を設け、具体的な制度設計に関して議論を交わす。
一方「高等学校基礎学力テスト(仮称)」では出題の方向性を示した。「生徒の学習意欲を高める」ために設定場面や取り扱う題材についてさまざまな工夫をこらす。
例えば国語では、ニュースや演説を題材に、要点を捉えて書き出す問題を出す。数学は、商品の売り上げグラフから情報を読み取るほか、英語は、Eメールや手紙で情報を適切に書いて伝えるなどの出題イメージを挙げた。