学校が地域を先導して減災 アクサユネスコ報告会

グループで話した各校の取り組みや課題を発表
グループで話した各校の取り組みや課題を発表

平成27年度アクサ ユネスコ協会減災教育プログラム活動報告会が2月24日、都内にあるアクサ生命保険㈱本社で開かれた。助成を受けた小・中・高・支援学校21校の教員が参加し、取り組みを報告した。「子どもの発信で大人が変わる」「被災時は中学生をリーダーに」などの意見が出た。

主催したのは、(公社)日本ユネスコ協会連盟。同社が協力している。プログラム・コーディネーターを及川幸彦宮城教育大学国際理解教育研究センター協力研究員が務め、活動発表やディスカッションなどを行った。

まず、5、6人のグループで自校の活動内容を紹介。想定した災害、実施した活動、工夫点、子どもたちの変化・成長、活動の課題などを話した。主な取り組みは――。

▽防災クイズで避難所確認を兼ねてオリエンテーリング▽防災に関する政策提言書を作成し自治体に提出▽地域の高齢者宅で家具固定のボランティア▽被災地体験を共有する神戸市と仙台市の高校生が交流し、大規模災害に対するリスクマネジメントについて多角的に議論▽外国人観光客が被災したときのための英語版防災マップ作成▽被災時の精神的ケアを考えた動物ロボットづくり▽防災時に役立つ小水力発電機の製作▽防災グッズを実際に使用し、問題点や災害に必要な備えを再考▽県内小・中学校で防災劇を実演▽地域や行政の協力で山あいの道を開いて避難路を確保――など。

活動を通じて、「子どもが頑張ると地域が協力的になり、地域が動けば行政も動く」と語る教員がいた。

取り組みは、学校行事や特別活動、総合的な学習の時間、理科、社会科などで実施している学校が多かった。そんな中で、国語科の授業で取り組んでいる教員がおり、周囲の参加者から注目を浴びた。同教員は「しっかり説明しないと、生徒が国語科なのか防災教育なのか迷ってしまう」などと、教科で行うには工夫が必要だと述べた。

その後、各校の取り組みについてグループで議論した結果を発表。そこでは、他校・異学年との交流や、小中連携、地域住民・行政・教委との協力関係が重要と語られた。特別支援の視点では、「今までは『教える』方向だったが、『考えさせる』必要がある。初対面の人とどう接するか、普段とは違うトイレにどう対応するか」などの課題を示したグループがあった。

後半は、宮城県気仙沼の教育や被災後の様子が分かる映像を見て、前半とは別のグループをつくり、ディスカッションを行った。

防災では、地域との連携が大事というが、一朝一夕で絆は得られない。「一人暮らしの学生が多い町や新興住宅地では、地域全体で取り組むのは難しい」「支援学校の場合は通学区域が広いため、生徒の住所がばらばら。地域という感覚も捉えにくい」などの意見があった。

避難所設営やそこでの過ごし方にも話が及んだ。「大人が大人に指示を出すと角が立つ。中学生をリーダーにするといい」「支援が必要な子には、避難後に周りの人に助けを求める方法を身に付けさせる必要がある」などの考えが述べられた。

この日は、島田智康内閣官房国土強靭化推進室参事官補佐による特別講話もあった。

同社の岩田肇広報部メディア&パブリックリレーションマネージャーは「経営陣が被災地を訪れた際、被災者から『被災地の経験を全国で役立ててほしい』との声を聞き、それがこのプログラムの契機となった」と語る。

閉会式で同社の小笠原隆裕執行役兼広報部門長兼危機管理・事業継続部門長は「アクサはこのプログラムを長く続けていく」と述べた。

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