主体性を確立する知識や思考力を 新科目「公共」で

新科目「公共」「倫理」「政治・経済」について議論した
新科目「公共」「倫理」「政治・経済」について議論した

中教審初等中等教育分科会教育課程部会は2月29日、社会・地理歴史・公民ワーキンググループの第6回会合を、文科省で開いた。公民科新3科目の構成について、文科省はこれまでの委員の意見を加味して改良した「たたき台(案)」を提示。「主体的参画」「政治・経済の主体」など、「主体となる私たち」を確立するために、知識や思考力を育む視点が重要だとされた。

委員からは「思考力の育成だけでなく、教科の中で押さえるべき知識は押さえなければいけない」などの声が上がった。

公民科の新必履修科目である「公共(仮称)」を中心に、新選択科目の「倫理(仮称)」「政治・経済(仮称)」についても論議された。

具体的な「公共」の構成における文言の変更は、「公共的な空間に生きる私たち」が「公共的な空間を作る私たち」になったり、「地域の創造」が「地域の創造への主体的参画」になったりするなど。高校生が主体になるのを強調する変更が多く見られた。

「倫理」や「政治・経済」では、資質・能力に関する記述がより明確になり、「学習活動の例」がまとめて記載された。

「公共」について、委員の主な意見を挙げると――。

「在日外国人も日本の社会を構成していることや、ジェンダーなどにも言及すると、よりリアリティーのある教育になる」「他人に害を与えない限りは、文化や宗教の多様性を認めるという意味で、『寛容』というキーワードを入れてほしい」「小・中・高校、特に中学校の公民的分野や高校の『倫理』『政治・経済』との関係性を明確にしないと、新しく『公共』をつくる意味が伝わらない」など。

「公共」の特性について、「子どもたちが主体的に参画し、1年間を通して必要な思考力を鍛える科目と理解している」と述べた委員がいた。これに対して、「考え方だけ学ぶ科目となると、基本的な知識や技能を知らないで社会に出てしまうおそれがある。ある程度、知識や技能を身に付けさせる必要がある」との異見があった。

また「キャリア教育を含め、『公共』が総合的な学習の時間に近づいているように感じる。公民の教科の中で押さえるべき知識は押さえないと」と念を押す委員もいた。

「倫理」「政治・経済」については、「『公共』が必履修で、『倫理』や『政治・経済』が選択となると、高校に『倫理』と『政治・経済』が置かれないのでは」と危惧する委員がいた。「もし、入試科目にならず、地理歴史でも単位が取れるとなったら、高校で『倫理』と『政治・経済』が置かれない場合もあり得る。可能ならば、『公民科の中で4単位』など、枠を設けてほしい」と訴えた。

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