奨学金制度の内容知らずに延滞金膨らむ 結婚にも影響

奨学金制度についての丁寧な説明が必要だと訴える花井事務局長
奨学金制度についての丁寧な説明が必要だと訴える花井事務局長

「延滞金が課される」「教員返済免除制度は廃止されている」――。こうした内容を知らずに日本学生支援機構から奨学金を借りている人が多くいることが、労働者福祉中央協議会(中央労福協)の調査で分かった。さらに奨学金の返済は結婚に影響があると答えたのは約3割に上っていた。

調査は平成27年7月から8月までの間に、日教組や自治労などの組合員1万3342人から回答を得た。

回答者の多くは、奨学金制度の内容を知らずに借りている現状が明らかになった。「教員返済免除制度の廃止」を知っていると回答した者は16.0%で最低だった。「延滞金が課される」22.3%と「3カ月以上の延滞は信用情報(ブラックリスト)に載る」23.5%も、知っている者は少なかった。

また奨学金の返済が結婚に影響があると答えたのは31.6%であった。正規雇用で500万円以上、非正規雇用で200万以上の借入金があると結婚をためらうと約半数が回答。これは、子育て23.9%、出産21.1%にも影響が出るとされた。

奨学金制度を利用している(していた)世代が多い34歳以下では、2人1人が有利子で学費を借りていた。借入金総額は平均312万9千円。非正規雇用では56.0%が返済が苦しいと悲鳴を上げていた。

日本学生支援機構(旧日本育英会)によると、平成24年度では、合計1万368件が、個人信用情報機関に登録されている。これにより、クレジットカードが作れなかったり、ローンが組めなかったりと不利益が生じる。

中央労福協の花井圭子事務局長は「OECDの調査によれば、日本の公財政教育支出は非常に少ない。教育にもっと投資してほしい」と訴えた。加えて日本学生支援機構に対して「延滞金があるなど、学生には丁寧に説明してほしい」と強調した。

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