高校通級の報告書案まとまる 小中の系統性求める

高校通級で議論を交わした有識者会議
高校通級で議論を交わした有識者会議

軽度の障害をもつ生徒が通常の学級に在籍しながら特別指導を受ける「通級指導」を、高校でも導入しようと、文科省の高校における特別支援教育の推進に関する調査研究協力者会議(座長・岩井雄一十文字学園女子大学教授)は3月1日、報告書案をまとめた。系統性の観点から、障害種に合わせて小・中学校同様に通級指導をするよう求めた。今月中にはパブリックコメントを実施する。

報告書案では、インクルーシブ教育システムの理念の具現化を訴えた。通常学級で学習する上で、自立や社会参加を促すのがねらい。

全日制や定時制、通信制の全ての課程で通級指導を実施する。卒業までの単位数は74単位以上で通常の生徒と同様とした。通級の指導対象生徒は、小・中学校の通級学級と同じように、障害者手帳の有無を問わない。

特別支援学校で実施されている「自立活動」についても、高校の通級指導で行う。例えば、発達障害や難聴などの子が別室で自分の障害の特性を知ったり、他者とのコミュニケーションの取り方を学んだりする。ここでの学習を卒業単位に組み入れることも可能とした。

通級指導に加えて、特別な指導が必要な場合は、障害に合わせて、補充指導ができるように、と明記された。

また高校に入学する前に、中学校在籍時との連携の必要性を強調。中学校での指導状況や支援内容のほか、保護者の意見を参考にするよう要望した。こうした資料や意見を参考に、教育支援計画の作成を促した。

高校の中には、校長をリーダーとした検討委員会を設けるよう求めた。特別支援コーディネーターを中心に、当該生徒の支援などを検討する。設置者である教委にも医師や教員、心理学の専門家で構成する支援チームの必要性を示した。

文科省は平成30年度にも、高校での通級指導を開始したい考えで、制度改正を視野に準備を進めていく。

近年は少子化の影響で子どもの数が少なくなる一方で、発達障害の児童生徒が増加している。26年度時点で、公立小・中学校では8万3750人が通級指導の対象となっている。

高校生は現在、約330万人。21年度調査では、高校生の2.2%に発達障害の可能性があると推計されている。

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