新科目「数理探究」 全高校生を履修のターゲットに

「数理探究(仮称)」の大枠について議論を重ねた
「数理探究(仮称)」の大枠について議論を重ねた

中教審初等中等教育分科会教育課程部会は3月1日、「高等学校の数学・理科にわたる探究的科目の在り方に関する特別チーム」の第3回会合を、文科省で開いた。主な議題は「数理探究(仮称)」の基本的な構造について。この科目に関して、「可能ならば全生徒を履修のターゲットにしてほしい」などの提案があった。

文科省が示した「数理探究」の資料では、「研究」と「探究」、「理科」と「科学」という文言が混在。委員は「理科と科学は同じではない」などと指摘し、文言を適切に使い分けるよう求めた。

「数理探究」を学ぶ対象として、文科省は「自ら探究のプロセスを実施できる生徒を想定」と明示。高いレベルを狙っているとした。これについて、「スーパーサイエンスハイスクールや理数科が看板を変えて実施するだけなのか。そうではないだろう」と異議を唱える委員がいた。

また「可能ならば全生徒をターゲットにしてほしい」と訴える委員もいた。「課題研究をしている理数科の生徒と、そうでない普通科の生徒とでは、課題を発表する際に大きな差が出る。理数科の生徒は、証拠に基づかない内容を発表すると、教員や同級生から指摘されるのを知っている。普通科の生徒は、コピー&ペーストが多く、自分で調べたとしても、統計的な処理が何もできていない。明らかに違う人間を育成している」と、実例を挙げて説明。探究できる資質・能力を育てる重要性を強調した。

「多くの学校に採択してもらうために、研究テーマをある程度示した副読本を作成したほうがいい」と提案する委員もいた。

「数理探究」の成果について文科省は、「大きな成果を求めない。一方で、成果を発表する場の提供も重要」とした。成果を求めない点について、多くの委員が賛同。「教員がコントロールして、生徒の実験を成功に導いてしまうケースがある。よく分からずに成功してしまうのはよくない。頑張った上で、失敗もさせるべき」「生徒の主観としては、成果を求めるのも大事だが、研究の成果と学習の成果を一緒にしてはならない」などと、複数の委員が意見を出した。

授業については「融合科目であると意識するべき」「校内で、数学と理科の教員が合同でカリキュラムをつくるなどの工夫がいる」「論文にまとめる力も必要。それが内省につながる」などの視点が語られた。

評価や予算についても言及があった。評価については「探究方法を自分の言葉で語れるかどうか」と提言する委員がおり、この評価方法を現場に届けると分かりやすいと示唆。予算については「金のかからない研究もある。テーマにあった予算を与えるべき」とした。

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