国語科と外国語科の有効な連携を模索 言語能力向上へ

教科の枠を超えた言語能力の向上を目指して議論した
教科の枠を超えた言語能力の向上を目指して議論した

中教審初等中等教育分科会教育課程部会は3月3日、言語能力の向上に関する特別チームの第4回会合を、文科省で開いた。議題は、国語科および外国語科・外国語活動を通じた言語能力の育成について。「日本語と外国語の違いに気付かせるのが目的になってはいけない。伝える力をつけるのが大事」「それでも、違いに気付かないと使えない」など、委員の議論は白熱した。

議論の軸は、言語能力を向上させるための、国語科と外国語科・外国語活動の効果的な連携の在り方について。

国語科で育成した能力を外国語科に生かす場合のアイデアは浮かびやすいが、外国語科で育成した能力を国語科に還元する方法を考えるのは難しいとの課題が浮かび上がった。

事務局から提示された「同じ題材を教材とすることで、日本語と外国語の違いに気付かせることができるのではないか」との案については、委員がさまざまな意見を表明。論争の様を呈した。

「日本語と外国語の違いに気付かせるのが目的になってしまうといけない。大事なのは、伝えること。コミュニケーションをする過程で気付くのならいいが、目的にしてはいけない」「その違いに気付かなければ、外国語を使えるようにならない。同じ文学作品を日本語と英語で読むのは有効。『自分ではこう訳すと思っていたけれど、全く違う表現になっている』などと感じるのが大事」「生徒の能力的な実態を考えると、文学作品を英語で読むなどはありえない」「ビジネスで使えるレベルの文書を書けるようにするためには必要」――。

この議論は、想定している目標の違いが発端。「この目標の子どもにはこのように、このレベルの子どもにはこのようになど、段階別で議論しないと噛み合わない」とされた。東京大学大学院総合文化研究科教授のロバート・キャンベル主査代理は、「全く反対の意見のようで、ホームグラウンドは同じところにある気がする」と、この議論を収束させた。

ICTの活用については、委員が、「ICTを導入したからといって、教員を減らせるわけではない」「あくまでも教員が核。教員の授業があってのICT」と強調した。

教員の連携については、「たとえば『社会科でこれをやっているから、英語ではこれをしよう』といった連携が大事」「年に1度ではなく、折にふれて教科を超えて話し合ってほしい」などの意見があった。

また「小学校の免許を取るためには全教科を学ぶが、中・高校の免許を取る際には専門教科しか学ばない」と述べ、教員養成の段階から教科の枠を超えた連携ができる素地を育むよう提案した委員がいた。

小学校の教員や、中・高校の英語科以外の教員が、英語を話そうとする姿勢を持つ必要性を語る委員もいた。

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