被災地の放課後学校が特別賞 ICT夢コンテスト

受賞したみなさん
受賞したみなさん

(一社)日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)主催の平成27年度「教育の情報化推進フォーラム」が「ICT日本どこでも生き生き授業」をテーマに3月4、5の両日、国立オリンピック記念青少年総合センターで開催。この中で、ICTを活用した優れた教育実践を表彰する「ICT夢コンテスト」の授賞式が行われた。

受賞は大賞7件、奨励賞22件、東日本大震災復興応援の特別賞1件。

特別賞の「被災地の子どもたちに最先端の教育を届ける―ICT学習ツールの活用研究」を発表したのは、岩手県にある「被災地の放課後学校」コラボ・スクール大槌学舎スタッフの渡邉雄介さん。

現在通ってきているのは小学生16人、中学生122人、高校生40人。中学生は地域の全中学生の約半数にあたる。

学舎では、効果的に学習に取り組めるよう、学び方を「予習型」「復習型」に分けている。「予習型」は、タブレット端末を使い、動画授業を視聴する。ICTでドリルツールに取り組み、プリント問題も行うといった具合に、デジタルとアナログを組み合わせている。

「復習型」では、机間巡視と個別指導を重視する。ICTを活用したドリル問題を使い、学習理解度や弱点を素早く捉え、つまずきにアプローチしていく。

渡邉さんは「ICT学習ツールはコンテンツの数が多く質も高い。ただし、ツールを正しく活用できなければ意味がない。子どもたちの状況や学力に合わせてマッチングしていく教える側の能力が必要とされる。今後はICT学習モデルや授業者マニュアル、研修モデルを完成させ、全国の放課後施設で生かしていきたい」と語った。

学舎では、ICT学習ツールを効果的に使うために、教える側向けのマニュアル作成とファシリテーター研修を行っている。

子どもたちへの満足度をアンケート調査したところ、10段階で7.98だった。自由記述には「ヒントや動画を見ながら自分のペースでできてよかった」「解ける問題が増えたのでよかった」「学校で習っていないところをやったが、分かりやすかった」と記されていた。

JAPET&CEC会長の赤堀侃司同コンテスト実行委員長は「受賞した実践は、ICTを使いながら、人がどのように関わっているかがポイント」と話す。

審査委員長を務めた中川一史放送大学教授は、「応募は397件あった。審査基準は、効果的に使用されているか。先進性、独創性、チャレンジ性があるか。広く普及できるか。そして実践を通して人間同士の絆が深まったかだ。選ばれた実践はどれもすばらしい」と講評した。

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