子どもの体力低下俎上に 教育課題の現状で論議

キャリア教育の充実などが示された
キャリア教育の充実などが示された

中教審初中教育分科会は第104回会合を3月8日、東京都千代田区の東海大学校友会館で開いた。第2期教育振興基本計画の初中教育分野の現状と課題や学校事故対応に関する指針案などを協議。「キャリア教育の充実の必要性」「子どもの体力低下、運動する子、しない子の二極化を克服する指導改善」などの意見が出た。

最初に、第2期教育振興基本計画が掲げる8つの成果目標から、初中教育分野の現状と課題として4点が報告された。

4点は、成果目標の1、5、6、7について。成果目標1の「生きる力の確実な育成」では、▽確かな学力▽豊かな心▽健やかな体――による「生きる力」を確実に身に付けさせ、社会的自立の基礎を培うとの目標を改めて明示。

確かな学力育成に向けては、学力の3要素をバランスよく育むため、習得、活用、探究の学習過程が進み、学校で話し合いなどの言語、体験活動が重視され、PISA2012などでも成果が出ているとした。課題は、判断根拠をあげて考えを述べる力、自己肯定感や主体的に学ぶ態度などとする。

豊かな心の育成では、豊かな情操や規範意識、社会性を育むため、道徳教育の充実やいじめ防止対策推進法などによるいじめの未然防止、早期発見などを実施しているとした。課題には、国際的に自己肯定感や社会参画意識が低い点をあげる。

健やかな体の育成策では、今後10年間で子どもの体力を昭和60年頃の水準にするのをめざし、学校の体育指導の工夫改善などを推進。しかし、昭和60年ごろに比べ、子どもの体力水準が低く、運動をする子・しない子で二極化している課題を明かした。

成果目標5の「社会全体の変化や新たな価値を主導創造する人材の養成」では、社会を牽引するリーダーや国際舞台で先導的に活躍できる人材養成に向け、初中教育段階から各分野に興味関心を有する子どもの裾野を拡大し、創造性やチャレンジ精神などを一層伸ばす必要性を示す。

成果目標6の「意欲ある全ての者への学習機会の確保」では、さまざまな困難や課題を抱え支援を求める子どもへの生涯を通じた多様な学習機会の確保を述べる。教育費の保護者負担の軽減では、幼児教育無償化の段階的推進などを実施。平成27年度補正予算でフリースクールなどで学ぶ不登校児童生徒への支援モデル事業の開始などもあげる。

成果目標7の「安全安心な教育研究環境の確保」では、学校施設の耐震化や自分の身を守るための安全教育の実施を強調。公立学校は平成27年度予算事業実施後で耐震化率約98%とおおむね完了見込みの現状とした。

委員からは、「初中段階からのキャリア教育の必要性」「運動をめぐる二極化に関連して、体育専科教諭などによる明確な目標と指導改善で体力向上が実現した例もある。効果的な事例を示す必要もあるのでは」などの意見が出た。

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