年長児期の生活習慣やがんばる力 小1で自主勉強に差

保護者へのアドバイスを送る秋田教授(前列右)と無藤教授(前列左)
保護者へのアドバイスを送る秋田教授(前列右)と無藤教授(前列左)

年長児期に「生活習慣」「がんばる力」「言葉」が身に付いている子ほど、1年生になったときに自ら進んで勉強する傾向が強い――。ベネッセ教育総合研究所は3月8日、都内で記者説明会を開き、「幼児期から小学1年生の家庭教育調査・縦断調査」の結果を発表した。小1の調査では、宿題などはできても、自主的に取り組む部分で差が見られると分かった。

同調査は、年少児(3歳)から小1の4年間、同一の子どもについて、継続して子どもの様子や母親の意識の変化を追い、この時期に大切な子どもの育ちのプロセスや、保護者のかかわりを明らかにするのが目的。幼児期から小1まで、家庭教育に重点を置いて追った縦断調査は、希少性が高い。

同調査では、小学校入学以降の学習や生活につながる幼児期の学習準備として、「生活習慣」「学びに向かう力(好奇心・自己主張・協調性・自己抑制・がんばる力)」「文字・数・思考(文字・数・言葉・分類する力)」の3つの軸を設定した。

調査結果からは、次の3点が分かった。

▽年長児期に、「生活習慣」全般、「学びに向かう力」の「がんばる力」、「文字・数・思考」の「言葉」が身に付いている子ほど、小1で「大人に言われなくても自分から進んで勉強する」傾向が強い。

▽年長児期に、親が子どものやりたい気持ちや考える行動を支えるほど、子どもの「がんばる力」や「言葉」の力は高まる。

▽家庭での子どもの成長プロセスは、「生活習慣」をベースに、「学びに向かう力」「文字・数・思考」の成長へとつながっていく。

また、小1の調査では、「学校から出された宿題をやる」は99.1%、「自分で翌日の学校の準備をする」は90.9%と、学校に関する項目は9割以上の子どもができていた。

一方で、「勉強が終わるまで集中して取り組む」は67.3%、「大人に言われなくても自分から進んで勉強する」は66.3%、「勉強をしていて分からないとき、自分で考え解決しようとする」は50.9%。小1の時点で、家庭での学習に集中したり、自分から取り組んだりすることに差が出るのが分かった。

同調査の有効サンプル数は544。調査時期は、▽年少児期=平成24年1月~2月▽年中児期=25年1月~2月▽年長児期=26年1月~2月▽小1期=27年3月。

出席した秋田喜代美東京大学大学院教授は、保護者へのアドバイスとして、「子どもが偏食の場合、親が偏食している場合が多い。乳児期からいろいろなものを食べさせるといい」「子どもが服をたたむのは時間がかかる。それを待つのが大事」などと述べた。

「絵本の読み聞かせはいつまでするのが適当か」との質問に対しては、無藤隆白梅学園大学教授が回答。「文字が読めるのと、文章が読めるのは違う。話の筋を自力で理解するのは、低学年には難しい。幼稚園で1人で読んでいる子を見ても、分からないところを飛ばしたり、ページを飛ばしたりしている。小学校半ばくらいまでは読み聞かせをするといい」と、全国の親に助言を送った。

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