資質能力の3本柱を見取る 体育・健康WG

評価の在り方で多様な意見が交わされた
評価の在り方で多様な意見が交わされた

中教審初中教育分科会教育課程部会の体育・保健体育、健康、安全ワーキンググループ(WG)は、第7回会合で、資質能力の3つの柱に沿って、小・中・高校を通じて育むべき体育や保健体育の資質能力などについて討議した。委員からは「新たな評価観点を学校現場でしっかり理解してもらう必要がある」「憧れなどを通じた『暗黙知』による熟達をどう評価するか」「学校現場では、少しの変更でも対応に苦慮するので、説明をよくしてほしい」などの意見が出た。

資質能力の3つの柱である(1)個別の知識や技能(2)思考・判断・表現力(3)学びに向かう力――に沿って育むべき資質能力については、学校種ごとに、次のような案を例示。

中学校の体育分野では(1)について、運動特性に応じた実施方法や運動の一般原則などの知識や技能。(2)については、自己の課題に応じて運動の取り組み方を工夫できる思考・判断・表現力。(3)では、生涯にわたって運動やスポーツに親しみ明るく豊かな生活を営む態度――を示した。保健分野では、(1)個人の生活における健康、安全の科学的な知識や技能(2)健康課題を把握し、適切な情報を選択・活用して課題解決のために適切な意思決定をする力(3)健康の保持増進への実践力を育て、明るく豊かな生活を営む態度を挙げた。

これらの育成に沿った評価の在り方についても議論した。委員からは「現場教員に浸透する評価を重視したい」「3観点への評価の移行はシンプルで良い」「運動の技能や知識を踏まえ、評価としての『分かる』をどう捉えていくかが大切」などの意見があった。

また「3観点への変更は賛成だが、少しの変更でも学校現場は混乱するので、丁寧な説明が必要だ」「単元を通じた長期的な見取りで複数の観点についてバランスよく見るはずが、1時間で1観点しか見られない状況が生じている」などの課題や留意点が挙げられた。

また「体育では、これまで技能の習得に偏りがち」「学習者が理想の競技者や技への憧れなどをそれぞれ抱き、技術鍛錬を深めていく『暗黙知』を通じた学びをどう捉え、評価していくか」といった視点や、「アクティブ・ラーニングの必要性の中で、外面的な言語活動が目立つ状況が生まれている」「学習目標が意識されず、技術や内容の習得が不明確な実践も進んでいる」という危惧も示された。

「人間は運動する動物。運動は人間生活の根幹だと明記する内容も含んでおきたい」「現在、中・高校生の間で運動離れが進んでいる。日常生活で運動機会が減っており、子どもたちが主体的に体を動かす機会を作る方策が必要」「生涯を通じて『運動する意味』を子どもたちに伝える学びが重要」などの意見も続いた。

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