道徳の本質的目標と育む資質能力 両者を押さえたい

道徳教育に係る評価等の在り方に関する専門家会議は3月9日、第9回会合を文科省で開いた。これまでの議論を踏まえ、評価の在り方を検討。観点として個人内評価の記述で注意する点や、学習内容と評価場面の適切なデザインなどで意見交換した。「道徳の本質的な目標を押さえながら、育まれる資質能力を見ていく視点が重要」などの意見が述べられた。

まず、協議の論点として、事務方から次の視点が示された。

道徳科では、より良く生きる基盤となる道徳性を養うため、道徳的諸価値の理解をもとに自己を見つめ、物事を多面的、多角的に考え、自己の生き方についての考えを深める学びを行う。

道徳的判断力、心情、実践意欲と態度の育成を見据え、評価では、児童生徒の学習状況や道徳性に係る成長の様子を、観点別評価ではなく、個人内評価で見取り、記述で表現する。

個人内評価の記述の注意点としては、「他者の考え方や議論にふれて自律的に思考する中で、多面的、多角的な見方へと発展しているか」「多面的、多角的な思考の中で道徳的価値の理解を自分自身との関わりの中で深めているか」の2点を強調。両者は、学校種や発達段階で異なった見方をすべきかが論点になると指摘。

また教師が個人内評価を行う際に、道徳科授業の各時間のねらいをしっかりと押さえた上で、児童生徒を理解する必要がある。その際、学習内容と評価場面の適切なデザインについてが論点になるとした。

授業に関しては、話し合いでの論理展開について、その巧拙を競うものになったり、教師の意図を読み取っての展開になったりしないよう、評価で注意すべき点は何かも、議論の視点とした。

挙げられたこれらの論点について委員からは、「道徳科で育む本質的な目標と、育てるべき資質能力との関係がしっかりと捉えられていないのが課題」とする意見があった。「目標を踏まえ、児童生徒をしっかり見取る授業を行うと、児童生徒は思わず語り、感想や意見を書き込む姿が増えてくる」と加えた。

また「学校現場では、活発な話し合いなど外面的な動きだけにとらわれた授業を追い求める状況がある。確実な道徳教育の実施と指導観をしっかり持った道徳授業を行うという2点を押さえたい」「児童生徒の学びの把握や記述の仕方などを校内で共通認識して評価に臨みたい。各時間の道徳的価値に基づく気付きや深まりを捉えながら、日常生活への影響もしっかりと見つめられるとよい」といった意見。「教師の鑑識眼を高めなくてはいけない。個々の教師の取り組みだけでなく、学校全体の評価マネジメントが重要」「TTによる授業研修は互いに評価の考え方を学び、理解を深めることにもつながる」といったアイデアも示された

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