評価に振り回されない授業を 型よりも頭脳を活性化

理科教育におけるALや評価について議論
理科教育におけるALや評価について議論

中教審初等中等教育分科会教育課程部会は3月9日、理科ワーキンググループの第5回会合を、文科省で開いた。委員からは「アクティブ・ラーニング(AL)は、型にとらわれず、いかに頭脳をフル回転させるかが大事」「評価に振り回されてはいけない」「社会科と理科では『合意形成』の意味が違う」などの意見が述べられた。

会合の議題は、(1)ALの3つの視点を踏まえた資質・能力育成のために重視すべき理科指導などの改善充実の在り方について(2)現行学習指導要領における現状と課題(3)資質・能力の育成のために重視すべき理科の評価の在り方について――など。

(1)について委員は、「ALは、いかに生徒の頭脳をフル回転させ、活性化させるかが重要。形態は問わない」「他者に明確な説明ができるのを、深い学びと考える」などの意見を表明した。

3つの視点のバランスについて「『深い学び』は『主体的な学び』『対話的な学び』と比べて捉えにくい。『主体的な学び』と『対話的な学び』を強調したらどうか」と提案した委員がいた。これに対し、「『主体的な学び』と『対話的な学び』は形式。『深い学び』は内容。『深い学び』という文言を減らすと、形だけに走るおそれがある」との異論があった。

「ALの3つの視点を踏まえた、資質・能力の育成のために重視すべき理科の指導のプロセス(案)(たたき台)」に追記された「意見交換や議論の際には、あらかじめ個人で考えることが重要である。また他者とのかかわりの中で合意を形成したり、自分の考えを修正したりする力が求められる」との表現については、複数の委員が懸念を示した。

「社会科における『合意形成』と理科における『合意形成』とは違う」「妥協するのではなく、合理的な議論の後に、集団として正しいものを見いだしていき、その結果、自分の誤った概念に気付くのが望ましい」「理科の場合、どのような合意形成になるのか、それを明記する必要がある。単純に授業のやりとりの中で合意が形成されてしまうと問題」などと述べ、現場の教員に「合意形成」という言葉が誤解されるのを不安視した。

(2)については、学習内容の再整理は慎重にしてほしいとの意見が多かった。単元ごとの関連を考慮せずにうかつに削減すると、支障が出る場合があるとした。

(3)については、筑波大学人間系教授の片平克弘主査代理が、「目標に準拠した評価が重視されているが、評価をするための授業になっている現状を改善しなければならない」と警鐘を鳴らした。

あくまでも「子どもたちの学びや理解のための授業」とし、「評価に振り回されてはいけない」と提言した。

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