特別活動のねらいはキャリア教育でも有効 中教審WG

特別活動とキャリア教育の関係などが論議された
特別活動とキャリア教育の関係などが論議された

中教審初等中等教育分科会教育課程部会の特別活動ワーキンググループ(WG)第5回会合が3月10日、文科省内で開かれた。

議題は「特別活動における学びのプロセスについて」と「キャリア教育の視点からの特別活動の役割について」。

事務局からは「キャリア教育の系統性について」「資質・能力の3つの柱に沿った、小・中・高を通じてキャリア教育において育成すべき資質・能力の整理」が示された。

委員からは、「特別活動で育つものはキャリア教育でも有効だが、逆は成り立たない」「今もってキャリア教育は職業体験だけだったり、進学指導だったりしていないか」といった意見が聞かれた。

小林真一国立諫早青少年自然の家所長は、「長崎県のある高校では、1年生が2泊で私たちの自然の家に宿泊体験に来る。自己肯定感を育て、自分の意見を安心して言える仲間づくりをする。こうした人間としての基礎がキャリア教育となる。自然体験もキャリア教育の一部となっている」と話した。

特別活動とキャリア教育の関係では、和田美千代福岡県教育センター教育指導部長が資料を提出。福岡県立城南高校が「ドリカムプラン」として平成6年度から14年度にかけて取り組んだ「生徒主体の進路学習」について簡潔にまとめた内容。和田部長は当日、インフルエンザのために欠席したが、資料の概要は――。

同校は昭和39年開校の、学区で有数の進学校。平成6年度に当時の“新学習指導要領”が高校で、学年進行で始まった。興味・意欲・関心・態度に焦点を当てた「新しい学力観」の教育課程がスタートする中で、近隣の私学に、それまでの受験者層が流れ、新入生に変容が見られた。

「新課程のスタート」と「私学の台頭」の2つに同校は直面した。

そこで教師らは、新しい学力観の情報を収集し、他県の高校を見学するなどした。こうして、大学卒業後を見据えて生徒に役立ちそうなことなら、何でもやらせる進路指導に取り組んだ。

生徒に「10年後、20年後の私」について作文を書かせ、分野を9つに分けた。「自分の将来のために役立ちそうな活動に参加しよう」と呼びかけ、講座やセミナーへの自主的な参加は授業を公欠扱いとした。

そのほか、職業人に来校してもらっての講演会、オープンキャンパスレポート、課題研究など、グループごとにさまざまな活動をした。取り組みは、特別活動の時間を使った。

「ドリカムプラン」と名付けたこれらの活動により、進路実績が大きく伸びた。

提出資料には「ドリカムプランは、教師主導の進学指導から生徒主体の進路学習へのモデルチェンジだった。生徒が自分の将来を体験的に探索し、目指すものを明確化したのが入試面接で評価され、進路実績に表れた」と書かれている。

特別活動における学びのプロセスに関連して、事務局から示された「特別活動における各活動の整理(イメージ案)」は、中央に子どもがおり、周囲に、(1)学級活動から身近な生活集団へ(2)児童会活動から自治会や議会などへ(3)クラブ活動からサークルや同好会などへ(4)学校行事からさらに広範な式典や公式行事へ――などの4つの矢印が出ている。子どもの隣に記されているのが、学校生活における特別活動で、外側は時間を経たのちの社会での活動を意味する。

委員からは「4つは並列ではなく、学級活動が母体となって他の活動があるのでは」「小学校は学級活動が中心だが、高校では学校行事から学級活動へとつながるものがあるなど、成長段階で位置は変わる」「四方に伸びている方向の意味づけをした方がいい」といった声が出された。

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