児童生徒理解・教育支援シート完成 4月から現場活用

児童生徒理解・教育支援シートに関する議論がまとまった
児童生徒理解・教育支援シートに関する議論がまとまった

文科省は3月11日、不登校に関する調査研究協力者会議の第13回会合を開催。議論を重ねてきた「児童生徒理解・教育支援シートの作成と活用について(案)」が、微調整の必要はあるとしながらも、今会合で完成となった。

同シートは、不登校児童生徒一人ひとりの状況を適切に把握するためのもの。学級担任、養護教諭、スクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカーなどを中心に、学校が組織的に作成する。

シートは、教諭が1人で抱え込むことなく、切れ目のない組織的・計画的な対応をしていくのを目的に作成。これを活用し、不登校児童生徒の支援に必要な情報を集約して、それに基づく支援計画を学校内や関係機関と共有する。

進学の際には、校種を超えてこれを引き継ぐ。当該児童生徒や保護者にとっては「担当者が変わるたびに同じ話をして説明しなければならない」といった状況を減らせる可能性がある。

シートの細かい文言などの修正は座長一任とされ、鳴門教育大学特任教授の森田洋司座長と事務局が微調整を行う。

今年度中に取りまとめられ、来年度4月から学校現場で活用できるよう、文科省が各教委に通知するという。

シートには、(1)共通シート(2)学年別シート(3)ケース会議・検討会等記録シート――の3種類がある。

(1)では、年度の枠を超え、支援全体を通して利用・保存される、当該児童生徒の基本情報を記入。遅刻や早退、別室登校など、不登校の前兆や欠席の場合の指導要録上の扱いなどを、学年別に書く。家族関係など本人を取り巻く状況や、本人の強み、アセスメントの情報なども記入する。

(2)には、(1)と同様の不登校の前兆や欠席時の扱いについて、月別に記入。児童生徒の様子を随時追記し、具体的な支援計画を書いておく。欠席状況や学習・健康状況の細かな記載を通して、継続的に本人の変化を把握する。

(3)では、本人・保護者・関係機関の支援に関連する協議結果を、その都度記入・加筆する。本人が望む支援や保護者の希望などをそのまま残していくのが基本。

シートは不登校の全児童生徒を対象に作成する。予兆への対応を含め、早期から支援できるよう、欠席30日以上という日数にとらわれず、早い段階でシートを作成するのが望ましいとされた。

このシートについて委員は「これまで教員らが個々に持っていた情報をシートで共有し、それによって、子どもの状況が立体的に見えてくる」「教員も書きやすいシートだ」「問題点や課題点だけでなく、本人の強みを書く欄があるのがいい」などの意見を述べた。

この日は他に、「不登校児童生徒への支援に関する最終報告(案)」についても検討。これに関しては、まだ議論の余地があるとされ、次回以降に引き継ぐ。

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