スマホで抱えた「25年問題」 長時間使用やいじめ

基調講演をする藤川千葉大学教授
基調講演をする藤川千葉大学教授

(一社)日本スマートフォンセキュリティ協会(JSSEC)は3月12日、学生団体Re:inc(リンク)と、「スマートフォンセキュリティシンポジウム」を都内で共催した。基調講演では、藤川大祐千葉大学教育学部副学部長が、スマホの長時間使用やネットいじめなどを「平成25年問題」と総称し、その詳細を語った。

同副学部長はまず、子どものスマホと携帯電話の所有・利用状況を説明した。

内閣府調査によれば、27年度の高校生のスマホ所有・利用率は93.6%、携帯電話は3.9%だった。現在は圧倒的にスマホを使う人が多いが、23年度では、スマホ6.8%、携帯電話88.8%だった。24年度に逆転が起こり、25年度に大きく差が開いた。中学生の場合は、25年度にほぼ同率となり、26年度に逆転。現在はスマホが大きく上回る。

同副学部長は「現在、大学3年生以上の人が高校生のころと、今の高校生の実態の間にはギャップがあるはず」と述べ、ほんの数年で環境が一変したのを強調。「情報モラル教育の教材やコンテンツなど、2~3年前のものは内容が古くて使えない」と熱弁した。

同副学部長は「長時間使用」と「ネットいじめ」を、スマホの普及時期と絡めて「平成25年問題」と呼ぶ。

同調査によれば、27年度の青少年のインターネット利用時間は、平日1日あたり約142分。校種が上がるごとに利用時間が長くなっている。

また文科省の全国学力調査によると、スマホや携帯電話を長時間使っている人ほど成績が悪い傾向がある。「スマホのせいで成績が悪いとはいえないが、相関関係はある」と言及した。

ネットいじめについては、平成21年に「青少年インターネット環境整備法」が施行され、一時は改善の兆しが見えた。しかし、25年前後にスマホが普及し、再び増加している。25年に施行された「いじめ防止対策推進法」は、ネットいじめに関しても明記。児童生徒だけでなく、保護者に対しても啓発するよう記述されている。

同副学部長は「平成25年問題は、家庭・学校・地域が連携して指導しなければ改善が難しい」とした。

福祉犯罪の被害については、出会い系サイトに起因する事犯が大幅に減少。一方で、25年以降はID交換掲示板による被害が急増し、26年以降はそれと入れ替わるようにチャット型サイトでの被害が急増した。

同副学部長は「フィルタリングは効果があるが、利用率が少ない」と語る。携帯電話では高かったフィルタリング利用率が、スマホでは低下。ネットワーク型だけでなく、無線LANやアプリにも対応したフィルタリングを設定している人は非常に少ないという。「フィルタリングを蔑ろにするのは問題」と警鐘を鳴らした。

当日は他に、学生団体Re:incによる事例講演「スマートフォンセキュリティワークショップの紹介」、東京都立練馬高校の正木成昭情報科主幹教諭による教育現場講演などを実施。講演者全員によるパネルディスカッションも行われた。

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