つらい子ほど声を上げられない 奨学金にも格差が反映

貧困世帯の子どもの現状と支援について語る小河代表理事
貧困世帯の子どもの現状と支援について語る小河代表理事

NPO法人キッズドアは3月14、15の両日、子どもの貧困シンポジウム「Kids’ Day JAPAN」を、都内で開催した。2日目には「あなたができることを探しにきませんか?~みんなで支える地域の子ども」をテーマに、子どもや保護者を支援する団体が講演。「つらい子ほど声を上げられない」「貧困と学力格差の問題が明らかになっているのに、奨学金制度は高学力者に有利にできている」など、さまざまな問題が語られた。

当日は、全9分科会を実施。その中で(一財)あすのばの小河光治代表理事は「『子ども第一社会』づくりに向けて~子どもの貧困対策センターあすのばの取り組み」と題して話した。

同代表理事は貧困家庭について、「よりつらい状況の子ほど、声を上げられない」「ひとり親家庭の母親は、声を上げる暇もない」と力説した。誰かが寄り添って声を聞かなければ、実態すら分からない現状を危惧した。

また高齢者に比べ、子どもへの支援制度が手薄なのを問題視。文科省の全国学力調査で、親の収入と子どもの学力には相関があるとされているにもかかわらず、給付型奨学金は学力が高い子に与えられる傾向がある。無利子の奨学金にも学力の基準があり、勉強があまり得意でない子は、有利子の奨学金を借りるケースが多い。これでは、貧困の連鎖を断ち切るのが難しいと強調した。

同代表理事は、ひとり親家庭の増大だけではなく、非正規雇用の拡大も貧困問題の要因と話す。両親が揃っていても、ダブルワークをしていても、貧困から抜け出せない現状があるという。

「例えば4人家族で、年収400万円の世帯の場合、それなりの暮らしはできる。でも、子どもを2人大学に行かせようと思ったら厳しい」「貧困とそれ以外、どこで線を引くかは難しい」と述べ、「年収300万円の世帯には光が当たり、320万円の世帯には光が当たらないようではいけない」と問題を提起した。

同財団は昨年6月に設立。子どもの貧困対策法成立から2年を迎えたときだった。「データやエビデンスに基づく政策提言」「支援団体への中間支援」「子どもたちへの直接支援」が事業の柱。「子どもがセンター」をキャッチフレーズに、大人が子どもたちの声をしっかりと聞く組織を目指している。

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