デジタル教科書使用率9割以上 ICTで不登校支援も

事業のこれまでの総括と来年度への期待が表明された
事業のこれまでの総括と来年度への期待が表明された

先導的な教育体制構築事業推進協議会の第4回会合が3月18日、文科省で開催された。事務局は、平成27年度の実施状況や、28年度の実施体制について発表。実証校では、9割以上の教員が「デジタル教科書」を使用している現状が判明した。また実証地域の発表では、ICTを使った不登校児への支援例なども示された。

同事業(平成26~28年度)は、総務省との連携で実施。各地域で、学校間、学校・家庭間をシームレスにつないだ新しい学びを推進するための先導的な教育体制の構築に資する研究に取り組んでいる。

実証地域は、▽福島県新地町▽東京都荒川区▽佐賀県(武雄市と連携)――の3地域で、それぞれ4校が対象。7小学校、3中学校、1高校、1特別支援学校が実証校に指定されている。

事務局からは、実証校で9割以上の教員がデジタル教科書を使用しているとのアンケート結果が明らかにされた。パワーポイントの教材を使用する教員が多いのも分かった。ドリル教材では、小・中学校ともにeライブラリアドバンスを使用している教員が多かった。

同事業での、ICT活用の効果測定の1つとして実施されたのが、パフォーマンス評価。パフォーマンス評価等検討委員会(主査・黒上晴夫関西大学総合情報学部教授)が、実証校のうち、小学校4学級、中学校1学級の事例を分析。どの事例でも、一定の効果があったと認められた。

実証地域の教委による取り組みが、報告された。

福島県新地町では、タブレット端末の持ち帰りによって家庭学習が充実。子どもが自宅で問題を解く際の思考の過程を、教員がチェックできる。これにより、子どもの実態に、より合致した次時の授業を構想できるようになった。保護者は「家庭学習も先生がフォローしてくれる」と感謝しているという。

また不登校の子どもへの支援にも、ICTを活用している。

不登校の子どもは、日中にすることがないと、昼夜逆転の生活に陥りやすい。そこで、ICTを利用して、午前8~10時、10~12時、午後1~3時にどのような活動をしていたのかを、担任に報告する取り組みをしている。担任との交流、昼夜逆転生活の予防の両面に役立てている。

来年度は、同事業の3年目。委員からは、「この2年で素晴らしい成果が出てきている。例えば佐賀県で実施していたものを新地町でやってみるなど、実証の『再現』を3年目に組み込めるのではないか」などの意見があった。

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