候補者吟味し模擬投票 教育再生実行会議が学校視察

候補者の演説を聞く生徒ら
候補者の演説を聞く生徒ら

教育再生実行会議提言フォローアップ会合の有識者による「主権者教育」特別授業の視察会が3月22日、東京都立目黒高校で行われた。授業では、選挙権年齢18歳以上への引き下げを前に、生徒に政治への参加意識を醸成するために、投票を模擬体験させた。選挙公報と演説を比較し、吟味しながら、候補者を選定するプロセスを経験。グループ協議でさまざまな有権者の立場と政策との関係にも考えを深めた。

視察には、同会議の鎌田薫座長などが参加。主権者教育を視野に、授業の展開を注視した。

授業は、目黒区選挙管理委員会事務局、NPO法人YouthCreateが協力。地元の区議会議員選挙を想定し、事前に3候補者の選挙公報を一読。この日を迎えている。

コーディネーターを務めたNPO法人YouthCreateの原田謙介代表は、生徒に向かって選挙の意義や投票の具体的な流れなどを分かりやすく解説。その後、3候補者がそれぞれの政策を生徒に向かって演説した。

古沢リョウ候補は、32歳の新人。若さをアピールしながら、介護への尽力を呼び掛けた。鳥山たかお候補は60歳の現職。地域で長年、司法書士事務所を経営していた経験から、地域経済を支える地元中小企業の支援や災害に強い町づくりなどを主張。35歳の新人、たみやしょうこ候補は、母親の視点から、地域の子育て環境の充実を訴えた。

生徒たちは、体育館に設置された記名台で、選んだ候補者名を記述。投票箱に投函する流れを体験した。選定に際しては、事前に配布された選挙公報に基づき、各候補者の良い点、悪い点を記述したワークシートを確認しながら進めた。

開票を待つ間は、数人グループになってそれぞれの選定理由や迷いなどを話し合った。「公報では、若さにあふれ介護に力を入れる古沢候補のメッセージに共感していたが、演説では、鳥山候補の政策が具体的で、経験値が最も高いと感じた」との意見が出ていた。開票発表後も、結果の感想をグループで話し合い、各自、候補者選択の視点を振り返った。

最後は、候補者が特に代弁して訴えた高齢者、子育て中の母親、小さな商店経営者の立場を生徒に想像してもらった。その上で、それぞれの立場だったら、どの候補者に投票するかを検討させた。

候補者の吟味と選択、主権者である市民のさまざまな立場と意見の違いに理解を深めながら、より良い合意形成や各自の幸福実現に向けた投票行動の意義などを生徒が考える機会としていた。

生徒の政治や選挙意識について同校の大窪伸幸校長は、「選挙権年齢引き下げ18歳については、生徒の約8割が知っていると回答している。その一方で、政治への興味関心がない、政治活動に参加しないと答える生徒も約8割いる」などと現状を指摘する。

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