全卒業生が自主的に企画運営進める クラスコンサート

毎年内容が進化している
毎年内容が進化している

埼玉県立芸術総合高校音楽科は、今春卒業する全生徒が3年間の学びの集大成を公開する「第14期クラスコンサート」を3月23日、所沢市の中央公民館で開いた。生徒たちがプログラム内容を考案し、市民への告知や演奏会進行など全ての運営を担うのが特徴。受験勉強などとの兼ね合いに苦労しながら、練習や準備に取り組んできた。会場には一般市民を含む約250人が来場。クラシックを軸にポップスまで、力のこもった約30曲を届けた。

コンサートは今年で3回目。学校側が位置付けた活動ではなく、生徒が自主的な思いと行動で毎年企画し運営している。この日のコンセプトは「感謝を込めて」。管弦楽、打楽器、合奏などのクラシックを20曲ほど。ゴールデンボンバーなどのポップスも奏で、幅広い市民が楽しめるプログラムを工夫した。演目を説明するパンフレットも自作した。演奏者が曲の解説や聴き所をまとめた。

舞台では堂々とした演奏が次々に展開。実行委員長の山口芽依さんは、専攻する打楽器で複数の演奏を披露した。スネアドラム独奏では、技巧曲のマルタンシォウ作曲「TCHIKスネアドラムのための」が鳴り響いた。4人による打楽器四重奏では、ウィーラン作曲「リバーダンス」を、マリンバを担当して奏でた。

その他にも、シューマンの「パピヨン」、リストの「超絶技巧練習曲第8番『狩り』」といった高度なテクニックが必要なピアノ独奏曲、コンプトン作曲「チョップスティック 主題と変奏」をベースに、ピアノ連弾の中に楽しいパフォーマンスを織り交ぜた演奏が続いた。

これまでの準備について山口さんは、「昨年のコンサート運営を参考に、1年前から準備をスタートした。クラスメートの事情を考慮しながら、企画や練習日程を調整して進めていった」と話す。

練習では、試演会として、各自の演目を聴き合い、講評しながらブラッシュアップ。でも山口さんは、「仲間の受験実施日や勉強時間などの関係で、全体練習の機会や思いの共有がうまくいかなかった」などと振り返る。代表として「さまざまな意見を受け止めながら、より良いコンサート実現のために力を尽くした。大変なとき、自然と手助けしてくれたり、『もっと仕事を振って』という声を掛けてもらえたりしたのはうれしかった」と話す。

また昨年のコンサート参加者のアンケート結果も考慮。照明についての指摘は有効で、明るさを調整するのに役立ったという。

生徒の活動を見守った菅野亜紀子教諭は、「学校行事などとの調整で、コンサートの実施自体がとても困難だったと思う。そんな中で、代表生徒のリーダーシップと共通の目標に向かった全生徒たちの努力はとても素晴らしい。卒業後もそんな努力や心がけは、コンサート運営などで大いに生きる」と3年間の成長を力強くたたえていた。

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