年複数実施を見送り 大学入試改革で最終報告

最終報告がまとめられた高大接続システム改革会議
最終報告がまとめられた高大接続システム改革会議

平成32年度から大学入試センター試験に代わる新テストについて検討している文科省の「高大接続システム改革会議(座長・安西祐一郎日本学術振興会理事長)は3月24日、最終報告をまとめた。国語と数学に記述式問題の導入を決めたが、年複数回実施は見送られた。出題範囲やCBTの導入など多くの課題を残したまま同会議は終了。今後、同省が平成29年までに具体的な方針を決める。

最終報告では、知識偏重から思考力を試す新テストに転換する。「大学入学希望者学力評価テスト(仮称)」では、記述式を導入する。32年度から35年度は短文記述とした。高校の次期学習指導要領が実施される平成36年度以降は長文にする。

採点結果は1点刻みでなく、段階的別に表示する。採点に時間がかかることから別日程も検討する。

マークシート問題では、式やグラフを作成させるなど思考力重視に転換する。採点結果は点数だけなく、得意分野や不得意分野について分析することも検討する。

最終報告では、31年度導入予定で、高校生の学力を把握する目的の「高校基礎学力テスト(仮称)」についても説明されている。

会議終了後、安西祐一郎座長は、複数回実施などの課題について「全てが確実に措置されなければならないということではない」と語った。その上で、「学力の3要素が一体として身に付ける学びの場であり、評価の場であることが大事だ」と強調した。

一方で、東京大学理事・副学長の南風原(はえばら)朝和委員は、記述式や採点方法でのAI(人工知能)の導入について「大規模試験になじまない」と否定的な意見を示した。さらに「当初の多様性をもった評価をするとしたストーリーと違う。新テストは全ての段階で良い点を取らなければならなくなった。細かい序列化になっている」と語った。

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