指導で「保護者の理解」苦慮 中学生は人間関係に課題

全日中(会長・伊藤俊典東京都港区立小中一貫教育校白金の丘学園白金の丘中学校長)がまとめた「平成27年度調査研究報告書」による「心の教育と健全育成についての調査」では、「中学生は人間関係づくりが苦手」と感じている校長が多いと判明。いじめや暴力行為を指導する際、保護者の理解を得るのに苦慮する実態も明らかになった。

中学生の心(意識や行動)の変化の表れとして特徴的とされたのは、「人間関係づくりが不得手」78.7%、「言葉による自己表現が苦手」66.0%、「忍耐力の不足」65.7%。

16の選択肢から回答する設問(複数回答可)だが、他の選択肢と比べ、この3項目の回答率が飛び抜けて高かった。

1位から3位までは昨年度と同じ結果となったが、今年度は「忍耐力の不足」を挙げる割合が増えている。

昨今、中学生の心(意識や行動)について最も改善されてきたと思われるのは、「思いやりの気持ちが不足」で、39.5%。昨年度1位の「規範意識が希薄」を抜き、10ポイント以上の差をつけた。

生徒同士の好ましい関係をつくる能力を身に付けさせるのに効果的な実践には、「人間関係づくりをねらいとした学年、学級活動」87.3%、「授業における生徒同士のコミュニケーション活動の重視」72.5%、「部活動における人間関係づくり(仲間づくり)に重点をおいた指導」65.5%などが挙げられた。

いじめ・暴力行為の解決のために効果的だった活動は、「学級集団づくり」83.1%、「教職員による早期発見・早期対応」82.1%。この2項目がほぼ同率で1、2位なのは、昨年度同様。さらに、「教師と生徒の人間関係の育成」77.9%、「生徒へのアンケートや連絡ノートでの実態把握」71.9%と続く。

昨年度よりも相対的にポイントを増加させたのは、「道徳・特別活動での心の教育活動」「教育委員会・警察・児童相談所等との連携」だった。

いじめ・暴力行為を指導する際に苦慮するのは、「いじめ・暴力行為に対する保護者の理解・認識」が68.6%で、昨年度と同様1位となった。昨年度4位だった「生徒の指導に対する教職員の指導力」は52.5%で、今年度は2位になっている。

「いじめ防止対策推進法」を受けての、いじめ防止等の対策のための組織を構成するのは、「教職員」が99.5%で、昨年度と同じく1位。次いで、「心理の専門家」が59.7%だった。

相対的な割合では、「福祉の専門家」が減り、「保護者の代表」「地域の代表」が増えたのが分かった。

調査対象は、全都道府県の公立中学校から、小規模校(8学級以下)、中規模校(9学級~14学級)、大規模校(15学級以上)各3校ずつ計9校。Web調査に対して、校長が回答した。有効回答数は384。調査は、9月下旬から10月上旬にかけて行われた。

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