高校生教育委員が要望 政治参加の意義熟考できる授業を

高校生の意見は今後の教育施策に生かされる
高校生の意見は今後の教育施策に生かされる

神奈川県教委は、県内高校生が教育委員になり、県教委の教育委員と意見を交わす高校生版教育委員会を3月25日、横浜市の県庁で開いた。高校生委員は「問答があるコミュニケーション豊かな授業」「政治参加の意義を熟考するため議会制民主主義や参政権の歴史を学ぶ機会を充実するべき」と、それぞれの思いを示した。

高校生教育委員には、県内公立高校から生徒6人を選出。生徒から意見を提案してもらい、県教委が今後の教育施策への反映を目指す。

提言のテーマは、▽教師と生徒のコミュニケーション▽協同学習の充実▽協調性と個性伸長の学びの在り方▽18歳参政権――の4点。

協調性と個性伸長の学びの在り方では、高校生委員から「理由を示さずに『ルールだから』の一言で生徒を縛る指導があり、疑問を感じる」「『人と違う』が理由でいじめを受ける場合がある」と、日頃から感じている問題点が表明された。

教委委員からは「これまでの教育政策は、時代の中で、個性尊重と全体重視の間で揺れ動いてきた」「現在は、生徒一人ひとりが学ぶ意味を深く考え、探究できる学びを推進しようとしている」と、教育施策の歴史が概観された。

高校生委員が「ゆとり教育は何が問題だったのか」と質問したところ、教委委員は「過熱した受験教育の反省から、子ども主体の学びを実現するため」と過去の経緯を説明。これを聞く中で高校生委員は「とかく批判されがちな『ゆとり教育』だが、個性伸長の視点など、これからの教育に大事な視点を含んでいたのだと思った」との感想が語られた。

18歳参政権については、高校生委員から「政治参加や投票に関する事前教育をもっと充実させるべき」「議会制民主主義や、参政権の歴史から政治参加や投票の意義を学び、考える機会が必要」といった学びの提案が出た。その一方で、「18歳に引き下げられた理由自体が分からない」と、そもそもの説明を教師に求める声もあった。

高校生委員の促しの中で教委委員が、高校生の思いや要望も尋ねた。

理想の授業、学校像への問いでは、「教師から一方的に教わるだけではなく、生徒との問答を含んだコミュニケーションが盛んな授業」や「高校段階なら、もっと特定分野を深く追究できる学習機会があれば」といった意見が出た。

その他、「教師と生徒が本音と本気でぶつかる学びを」「未来像をイメージしながら学習が積める授業を」との訴えがあった。

関連記事