いじめ認知で通知 春休みに取り組みの検証など求める

文科省初中局児童生徒課は3月25日、「いじめの正確な認知に向けた教職員間での共通理解の形成及び新年度に向けた取組について」を、都道府県教委および指定都市教委の指導事務主管部課長などに宛てて3月18日付で通知したと公表した。教職員に対し、いじめの正確な認知に関して教職員間で共通理解を図り、春休み中に、各校のいじめ防止基本方針を検証するなど、新年度に向けた取り組みも求めた。通知と公表の間に1週間の開きがあるのは、同課の資料配付が遅れたため。

平成26年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」における児童生徒1千人当たりのいじめの認知件数は、都道府県間の差が30倍を超える。実態を反映しているとは言い難い。

教職員向け別添資料の副題は、「先生方一人一人がもう一度確認してください」。いじめの認知をめぐる現状や、調査結果をみた保護者や地域の人の心配や疑念などにふれている。

その上で、「先生方それぞれでいじめの捉え方の差があるようです」と注意を喚起。いじめの定義を再確認し、具体的な事例を挙げている。些細な点も見逃さずに認知するよう求めた。

いじめの認知に関する文科省の考え方として、▽いじめの認知件数が多いのは、教職員の目が行き届いている証▽組織で認知し対応するのが重要。ひとりで抱え込まないように――と言及。組織の判断に疑問があるときは、「この対応でいいのですか」とためらわずに発言するよう念を押した。

新年度に向けては、(1)今年度実施した学校いじめ防止基本方針に基づく取り組みをPDCAサイクルを用いて春休み中に検証し、改善するべき点を明確にしておくなど、より実効性のあるものにする(2)校内の教育相談体制を再確認するとともに、新年度のできる限り早期に児童生徒と面談するなど、児童生徒が発する変化の兆候(悩みやいじめの訴え)を積極的に受け止める取り組みを実施(3)入学式などの機会に、保護者に対し「いじめのサイン発見シート」や「24時間子供SOSダイヤル」などの相談窓口を紹介する(4)個人情報の扱いに十分留意しながら、進学先や転学先の学校に対し、個々の児童生徒の指導上の留意点などについて積極的に申し送りをする――の4点を指示。

いじめの認知と対応が適切でなかったために、重大な結果を招く事案が後を絶たない。いじめを正確に、もれなく認知するのは、いじめ対応の第一歩であり、いじめ防止対策推進法を機能させるための前提となる。

入学や進級などで児童生徒を取り巻く環境が大きく変わる4月は、人間関係の摩擦やストレスの増加に配慮が必要。特に4月上旬は、18歳以下の自殺者が急増する傾向がある。通知には、こうした背景もあり、文科省は新年度に向け、学校現場での積極的な取り組みを促している。

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