「ガクボラ」報告会 貧困による教育格差解消へ

取り組みの詳細を語る大学生ボランティア
取り組みの詳細を語る大学生ボランティア

NPO法人キッズドアは3月29日、「2016キッズドア『ガクボラ』報告会―教育格差解消をデザインする『ガクボラ』の取り組み」を、都内で開催した。「ガクボラ」は、同NPO法人が取り組む、子どもを対象とした学習支援。大学生ボランティアが主力となって運営している。報告者からは、時間や場所、スタッフを確保する難しさや、子どもたちの成長などが語られた。

報告会では、12のプロジェクトが活動内容を発表した。

東京都足立区での「居場所型学習会」は、同NPO法人初の居場所機能付き学習会。貧困世帯の中学校全学年の生徒を対象に、自由に活動できる場所を提供し、学習会も実施している。笑顔あふれる空間づくりを目指す。

「居場所型」のため、活動時間が長いのが特徴。苦労もあるが、時間を確保できる学生だからこそ対応できている。

東京都世田谷区での「かるがもスタディールーム」は、ひとり親家庭の小・中学生のための事業。勉強する気のない子にはやる気を出させ、無理をしてしまう子には心身の健康を気遣うなど、個に対応し、成果を上げている。

発表者は「子どもの『自分にはどうせできない』という気持ちを取り除き、『やればできる』と思えるようにすることで、スタートラインに立てる」と述べた。

区の委託事業のため、最長2年までしか通えないなど、子どものためを思うと「何とかしてあげたい」現状もあり、課題となっている。

その他、東京都立高校で行っている中退防止・進路未決定卒業防止の土曜補習講座「まなぶ」、経済的な理由で塾に通えない中学校3年生と高校生のために仙台市で開いている「タダゼミ」「ガチゼミ」など、さまざまな取り組みについて報告があった。

全ての発表で共通していたのは、子どもたちが信頼によって心を開くまで、学生たちが辛抱強く待ち続けた点だ。子どもとの年齢や距離感が近いのを生かし、親身になって接し、子どもからの信頼を得るまで粘り強く支え続けた経験が、多くの学生から語られた。

日本国内における子どもの貧困や教育格差が明るみに出ている昨今。企業、行政、民間が協力して子どもたちを支えていこうと動き出している。

「ガクボラ」は、子どもたちが、世帯の経済力に左右されることなく、本来の可能性を広げるための場を提供しようと活動している。

同NPO法人の渡辺由美子理事長は、「貧困状況にある子どもたちは非常に孤立していて、今まで人に構ってもらったり、自分の勉強を心配してもらったりした経験が少ない。一緒にいて話をしたり、ただ横にいたりするだけでも、その子のためになる」と熱弁した。

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