経営感覚育成と持続的食料生産の学びを 産業教育WG

「共通の必履修科目」への意見も出た
「共通の必履修科目」への意見も出た

中教審初中教育分科会教育課程部会の産業教育ワーキンググループ(WG)は第6回会合を3月28日、文科省で開いた。主に職業に関する各教科の学びの在り方や育むべき資質能力について話し合った。農業科では、農業の6次産業化やグローバル化を踏まえ、経営感覚を育む学習や安全安心な食料の持続的生産に対応した学びの充実がたたき台として提案された。委員からは「グローバル化に向けた学びを強化すべき」などの意見があった。

職業に関する各教科を通して育むべき資質能力では、それぞれで育成する資質能力や科目構成の方向などが、たたき台として示された。

農業科では、安全安心な食料の持続的、安定的な生産と供給、6次産業化とグローバル化などを視野に、育成する人材像を「農業の学びを通して地域の農業、産業、社会の持続的な発展を担う職業人」とした。

3つの柱に沿い、▽農業の各分野に関する知識と技術、農業の社会的意義や役割の理解(個別の知識、技術)▽農業に関する課題を発見し、職業人としての倫理観を持ち、合理的創造的に解決する力(思考、判断、表現力)▽職業人として必要な豊かな人間性、より良い社会の構築を目指して自ら学び、農業の振興や社会貢献に主体的協働的に取り組む態度(学びに向かう力、人間性)――を育成すべき資質能力としている。

科目構成では、農業の各分野で、持続可能で多様な環境に対応した学習を充実する点や、農業経営の6次産業化や法人化などを見据え、経営感覚の醸成を図る学びを充実する点を挙げる。

これらに対して、委員が意見を述べた。

農業科では、「農水産業の未来を見つめると、グローバル人材育成の必要性をより強く示す必要があるのでは」「新たな農業の動きである企業参入の仕組みについても触れるべき」と指摘。工業科では、「第4次産業革命と称される3Dプリンターなどの技術革新について、科目での取り扱いや構成をどうするか」との問いも投げ掛けられた。

一方で、どの専門高校でも、同じようなビジネススキルを学ぶ状況が生じており、各学科の専門性や特色が薄れている面があるとの課題も訴えた。

産業教育全般に関する「共通の必履修科目」の創設と実施についても議論された。教育課程の中に新たに必履修科目を設けるのは、現状では厳しい。そこで、課題研究に位置付けて実施するとのアイデアが提案された。昨今、社会でさまざまな偽装事件が起きる中で、「職業倫理」について考える内容も出た。その他、「持続可能性」などのテーマが語られた。

(「農業の6次産業化」=農家が第二次産業と第三次産業を掛け合わせて多角的な経営を行う新たな形。農業経済学者の今村奈良臣氏が提唱した造語)

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