横浜港の役割を多面的に伝える 創意あふれる新聞制作

領家中学校では教師の新聞作りの情熱が生徒に引き継がれた
領家中学校では教師の新聞作りの情熱が生徒に引き継がれた

(公財)日本海事広報協会は、小・中・高校生が作った海運や船に関する新聞を評する「ジュニア・シッピング・ジャーナリスト賞」の発表会と表彰式を3月29日、東京都江東区の東京海洋大学で開いた。全国の応募作から7つの優秀賞を選定。国土交通大臣賞には横浜市立領家中学校囲碁部の生徒4人が選ばれた。地元横浜港の多様な役割などを、豊富な写真と合わせ分かりやすく解説。船長へのインタビューなども織り交ぜ、楽しく示した。

2015年度の同賞には、全国の小・中・高校生から593の新聞が集まった。その中から7作品が優秀賞を受賞。さらに国土交通大臣賞、日本海事広報協会会長賞が選ばれた。

受賞作と学校は、▽せんかん大和をつくった鉄新聞(広島県江田島市立大古小学校3年生、濱本惺大、荒神歩さん)▽日本の玄関口~横浜港新聞(東京都川村小学校5年生、永田美星さん)▽いろんな船がやってくる宇野港新聞(岡山大教育学部附属小学校、林瑞希さん)▽一碁一会(横浜市立領家中学校囲碁部3年生、枝村一樹、國西裕雅、原剛史、刈田柊さん)▽碧い海に囲まれて(九州国際大附属中学校新聞部、高松ありさ、山縣響子、植松碧彩、武内光彦、小宮朋華さん)▽長崎工業高校による船のための新聞(県立長崎工業高校3年生、米田瑞樹、増田啓太、岩切海、横浦永慎さん)▽初めての乗船実習~航海訓練所練習船「青雲丸」から学んだこと(富山高専、竹内めぐみさん)――。

国土交通大臣賞に選ばれた「一碁一会」は、生徒が地元の横浜港を多角的に取材。見やすく美しいレイアウトでまとめた。新聞を前に、それぞれ内容や制作の苦労を話した。

紙面は、港が経済や産業を支えるさまざまな役割を果たしていると報告。同港が担う自動車輸出、天然ガスや石油の輸入などの様子を取り上げる。大黒、本牧、南本牧の各ふ頭の機能や貨物運搬のコンテナ・クレーンの優れた働きなどについて、写真を加え、丁寧に解説している。

観光機能の側面にもふれた。「2002年、新ターミナルが完成した大桟橋には、昨年、146隻の外航客船が寄港し、全国1位を誇っている」とした。港の多面的な役割に理解が深まったようだった。

同賞受賞について生徒たちは、「新聞作りを通して、相手に伝わる文章を磨く良い機会になった。囲碁部としては、何の賞も取れなかったが、最後に賞が取れて良かった」と感動していた。

審査委員の黒川久幸東京海洋大教授は、「コミュニケーションで大切にしたい3点として、▽相手に内容をしっかり理解してもらう▽理由や根拠を踏まえ伝える▽行動変化を促すメッセージ――を挙げたい。今回の受賞を生かし、磨きをかけてもらえれば」とたたえた。

木野村雅子全国新聞教育研究協議会会長は「読み手を引きつける新聞作りを探る中で、思考力や行動力が自然に磨かれる。今回作った新聞で、海運を広く伝えてほしい」と励ました。

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