遊びと能力育成の関係を明確に 幼児教育部会で議論

子どもなりの努力を捉える評価の必要性が語られた
子どもなりの努力を捉える評価の必要性が語られた

中教審初中教育分科会教育課程部会幼児教育部会は、第6回会合を3月30日、文科省で開いた。幼児期の特別支援教育や育みたい資質能力、ふさわしい評価の在り方について、たたき台をもとに話し合った。「幼児期の『遊び』から得られる能力育成とその関係性を一層明確化したい」といった意見が出た。

「幼児期の特別支援教育の在り方」では、教育課程企画特別部会の論点整理で示された視点を踏まえ検討した。論点整理では、「全ての学校や学級に発達障害を含めた障害のある子たちが在籍する可能性があるのを前提に、個々の子どもの状況や発達段階に応じた十分な学びを確保する」「障害のある子どもの自立や社会参画に向けた主体的な取り組みを支援する」としている。

委員からは、「個別の支援・指導計画はとても重要。特別支援教育コーディネーターの活用で教員ひとりが抱え込まないようにしたい」「大前提として、子どもたちの違いや多様性を尊重する基本的な考え方の浸透が大切」「インクルーシブな教育の在り方について、教員養成の段階から理解を深める必要がある。子どもを取り巻く保護者の教育や理解も大事」との意見が出た。

「幼児期に育みたい資質能力や育ってほしい姿」では、たたき台として、3つの柱に沿った育成すべき資質能力や幼児教育の見方・考え方、育成したい姿を提示。

育むべき資質能力としては、▽遊びや生活、豊かな体験を通じて感じ、気付き、分かり、できるようになる(個別の知識、技能の基礎)▽遊びや生活の中で気付き、できるようになったことを使い、考え、試し、工夫し、表現する(思考、判断、表現力の基礎)▽心情、意欲、態度が育つ中で、いかにより良い生活を営むか(学びに向かう力、人間性)――との視点が挙げられた。

委員からは、「幼児期の『遊び』から得られる能力育成とその関係性を一層明確化するべきだ」「心情、情意の発達を踏まえ、相手に伝わったという実感や共感の喜びなどの能力を位置付けたい。身体感覚や感性などの要素を含んでいけばよい」との提案があった。

さらに、「遊びと育成する資質能力との関係を明確化したい。子どもの興味関心から出発し、必要な資質能力をバランスよく育むプロセスになれば」「育成の全体像が少々イメージしにくい。現場で、指導の方向性が持てるように、それぞれの関係を貫く『柱』や『方向』を明確に」との観点も示された。

その他、「幼小連携や系統性が明確に分かる表現の工夫を。遊びと各教科学習との関連性など、小学校教員もつながりを理解し、観点を持った円滑な指導を実現したい」「小学校教育の前倒しではなく、幼児教育が人としての基盤を作る重要な段階だという認識を持ってもらえる構成に」「遊びや豊かな生活体験を積んだ幼児期があって、確かな『生きる力』の育成につながっていくという流れを」といった指摘も続いた。

幼児教育の評価の在り方では、「育成の具体像を示すと、示した観点の習熟だけに目が向き過ぎて、子どもなりに努力を刻んでいる点を見逃してしまう。幼児期終了までに育ってほしい姿を園の先生が捉えながら、広い視野と期間で評価したい」との提案があった。

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