授業・指導力が最重要 教員加配で研修の環境整備を

全連小(会長・大橋明東京都渋谷区立加計塚小学校長)は、小学校教育の充実・発展や、その経営に資する「平成27年度研究紀要」をまとめた。教育に関する諸課題について、経年あるいは新規に調査研究を実施。教員の最重要課題は授業力・指導力の向上であり、加配教員の配置によって、研修を充実させたり、若手が校外研修に出向きやすい環境を整備したりする必要があると分かった。

小学校教育の改善・充実のために重視するべきなのは、「教員の授業力向上」が87.0%で、飛び抜けて回答率が高かった。2位は「学校の組織的運営の推進」54.2%。

より実効性の高い学校評価にするために課題となっているのは、「成果指標等、数値目標の設定と検証方法の確立」62.6%、「学校評価結果を受けた教育課程の改善」61.4%。いずれも2年連続で6割を超えた。

文科省が実施する全国学力調査の結果の活用については、「学校の学力向上の取り組みの指針としている」87.2%、「教員の授業改善の指針としている」69.6%、「学校の課題分析の端緒としている」57.2%。また「個別指導に生かしている」28.2%、「保護者に客観的データとして示し、家庭学習の指針としている」8.7%などの回答もあった。

若手教員の資質能力向上のために必要な取り組みは、「教員研修の充実を担保するための教員加配」75.5%、「専門性、社会性向上のためのOJTの推進」51.9%、「若手教員育成のための校内組織づくり」42.9%、「若手教員のニーズに合った研修体系の確立」41.5%。

若手教員の日々の学習指導や生活指導の様子を見て、1年間を通して個別指導をし、指導力向上を図るのが重要とされた。また加配教員を配置し、若手教員が積極的に校外研修に出かけていける環境を望んでいるのが分かった。OJTにあたる中堅教員の不足や質の確保も課題にあがった。

教員が子ども一人ひとりに向き合う環境をつくるためには、学級編制の弾力化など、少人数教育が必要。これらを推進し、さらなる教育効果を上げるために重要とされたのは、「全学級35人以下とする等、学級編制における一学級の児童数の基準を現行より一層引き下げる」85.5%、「少人数指導等の加配教員の人事配置をより一層進め、適切かつ十分なものにする」82.9%。

次いで、「特別支援教室等の全校設置により、通常の学級に在籍する特別な支援が必要な児童生徒への養育環境を整備する」が49.6%となった。現在は、特別支援を要する児童が普通学級に複数在籍しているケースがある。全ての児童が授業に集中し、学習効果を高められる環境の整備が求められている。

「学級編制における校長の裁量権を拡大する」は28.2%だが、下位の回答の中ではただ一つ、昨年度よりも回答率を上げている。

学校現場として対応する上で重く受け止めているのは、「『特別の教科 道徳』の充実」59.9%、「アクティブ・ラーニングの導入」56.7%、「特別支援・インクルーシブ教育の構築」56.1%。「小学校英語の教科化」は43.1%だった。

新たな教育改革・教育施策を推進する上で課題になっているのは、「教員の指導力向上」83.3%、「教員定数の見直し」66.4%。この2項目が突出していた。

調査対象校は、各都道府県事務局が選定。各都道府県公立小学校の約4%となる795校に質問紙形式で依頼し、その全校から回答を得た。調査期間は昨年7月7日から8月25日まで。

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