災害時の人権や拉致問題で指導資料 埼玉県教委

埼玉県教委は、「災害時の人権への配慮」「北朝鮮による拉致問題」との今日的な人権課題を指導するために、教師用指導資料を作成。県内の全小・中・高校に配布した。

災害時の人権配慮では、小学校高学年道徳の学習指導案を掲載。主題名は「公平、公正な態度で」。東日本大震災で福島県から埼玉県の学校に転校した児童の体験文を掲載する。転校児童は、放射線の影響を理由にいじめを受けるのではとの不安を抱えていたが、実際には温かく迎え入れられた。これに感謝し、周囲に流されずに正しい判断ができる人になりたいと決意する。

資料を通じて、正しい判断ができる人とはどういう人なのかを、児童一人ひとりにじっくりと考えさせ、これによって、誰に対しても公平、公正に接し、正義の実現に努めようとする態度を養う指導に生かす。

中学校道徳学習指導案では、主題名「正義、公正、公平、差別や偏見のない社会の実現」を掲げ、全国中学生人権作文コンテストの作文を教材にした指導案を掲載している。

家族旅行中にサービスエリアで目撃した、福島県産の桃に対する偏見や風評被害が題材。知らないうちに偏見を持ち、差別する側にいる現実に気付いた主人公の気持ちに共感しながら、偏見や差別を許さない態度の育成を図っていくのを目指す。

拉致問題では、高校のホームルームでの指導案を掲載。

日本人拉致の理由や国際社会の関心など、複数の資料を掲載。70年代から80年代にかけて起きた北朝鮮による日本人拉致事件の流れを把握しながら、重大な人権課題として考えていける構成となっている。

作成には、県内小・中・高校の校長、教頭、教諭による委員会を設置。委員の話し合いと学校での検証授業を重ねながら、学校現場ですぐに使える指導資料とした。

小・中学校の道徳授業や高校のホームルーム活動などで活用してほしいとする。A4判、全25ページ。

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