中・低位所得の教育格差 日本は37カ国中27位

学力格差は所得と関連しているといわれる。それでは、所得階層の低位と中位を比較して教育格差を見たとき、両者の間は、どれほどかけ離れているのだろうか。ユニセフ・イノチェンティ研究所の分析によれば、その隔たりから見た日本の教育格差は、37国中27位で下位に位置していた。

この結果は、同研究所がまとめた「子どもたちのための公平性:先進諸国における子どもたちの幸福度の格差に関する順位表」と題するレポートで明らかになった。

レポート全体では、OECD加盟国の子どもの幸福度について、(1)所得(可処分)(2)学力(3)健康(4)生活満足度――の4指標から浮き彫りにした。

分析手法で特徴的なのは「底辺の格差(ギャップ)」。4指標それぞれで、統計の中央値と、下から10%に位置するところとを比較し、両者の隔たりの割合を出した。

日本については、他国と比較できるデータが入手できた(1)と(2)について明らかにした。(1)については「所得の格差」を示す「相対的所得ギャップ」、(2)については「教育の格差」を示す「学習到達ギャップ」として示した。

それによれば、相対的所得ギャップは、1位ノルウェー、2位アイスランド、3位フィンランドで、上位を北欧が占めた。割合は約37~38%。つまり、下位から10%に位置するこれらの国の家庭の所得は、中位の6割強にあたる。

日本は34位の60.21%だった。日本の下10%の家庭では、中位の4割しか可処分所得がない。

学習到達度に関してはPISAの結果を援用。ギャップが最も小さかったのは、1位チリ、2位ルーマニア、3位エストニアで、約1.9~1.6%。日本はマイナス0.48%で27位。

ただ、PISAの読解力、数学的リテラシー、科学的リテラシーの3分野全てで習熟度2を下回る学力低位層が占める割合は、チリが24.6%、ルーマニアが24.0%と高い。両国の平均的な学力層と低位層との隔たりは低いので、学習到達度は他国に比べて低いものの、平均的な学力層から取り残されている子どもが少ないのを物語っている。

その点、日本は、3分野のレベル2以下の子どもの割合は5.5%で、学習到達度では世界のトップレベルにあるのを、ここでも示す形となった。

可処分所得による教育の格差は、OECDで下位に位置するものの、3分野レベル2以下は比較的に少なく、国際比較では、日本の教員の努力と教育の質の高さがあらわれていた。

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